マーズ・サイエンス・ラボラトリー

2015年の月・惑星探査を展望する

先日まとめ記事を書いたばかりではありますが、やはり年が明けると、その年の動向というものが気になるものです。 2015年、月・惑星探査の世界はどのようなことになるでしょうか。この記事では、今年(2015年)の月・惑星探査を展望し、どのようが起きるか、起きそうであるかを分野別にまとめていきます。 ...

キュリオシティがメタン濃度の急増を発見、生命の兆候か?

火星探査機マーズ・サイエンス・ラボラトリー(愛称「キュリオシティ」)が、火星大気中のメタンの急増を観測したことが明らかになりました。NASAによると、メタン濃度が10倍にも急増したとのことです。また、岩石粉からは有機物も検出されたということがわかりました。 今回の発見に結びついたのは、キュリオシティに搭載された観測装置の1つ、火星サンプル分析装置(SAM)です。キュリオシティの火星着陸後、20ヶ月にわたってこの装置で待機中のメタンの観測を続けてきました。そして、昨年(2013年)まつと今年(2014年)はじめ頃に、2ヶ月にわたって、4回の観測で7ppb(ppbは観測の単位で、10億分の1を表す)という、かなり微量ではありますがはっきりとしたメタン濃度の上昇を確認しました。それ以前にもそれ以後にも、濃度はもっと低く、この値の10分の1以下というレベルだったそうです。 ...

キュリオシティの1周年が近づく

火星探査機マーズ・サイエンス・ラボラトリー(愛称「キュリオシティ」)が昨年8月6日(日本時間、及びアメリカ東部夏時間)に火星に到達してから、間もなく1年になろうとしています。何かもっとずっと前に火星にたどり着いていたような気もしますが、それは、この1年でキュリオシティがあげてきた様々な素晴らしい成果も関係しているかも知れません。すでに、キュリオシティの当初の目標であった「火星がかつて、生命を育むのにふさわしい環境であったかどうかを解明する」という目標は、イエスの返事と共に達成できたと考えてよいでしょう。そして、キュリオシティの目標は、さらに先、将来の探査を見据えるところに来ています。 この1年間でキュリオシティが地球へと送信してきたデータの総量はなんと190ギガバイト以上にもなります。DVDに入れたとして約40枚分のデータが火星から送られてきたということになるわけです。写真は36700枚の完全な画像と35000枚のサムネイル(縮小)画像、岩石組成を調べるためのレーザーの発射回数は合計75000回以上、2つの岩石についての組成分析を完了、そして1マイル(約1.6キロメートル)以上の距離を走破しています。 ...

NASAが2020年に打ち上げ予定の火星ローバーの詳細が明らかに

NASAが2020年の打ち上げを目指す、マーズ・サイエンス・ラボラトリー(愛称「キュリオシティ」)後継とされるローバーについて、このほど記者会見でその概要を明らかにしました。 今回のローバーの目的は(「も」といった方がいいかも知れませんね)、火星における過去の生命(存在していれば)の探索や、サンプル回収、そして将来的な地球へのサンプル帰還、さらには将来的な有人火星探査のための情報収集とのことです。 ...

キュリオシティの放射線量測定で将来の有人火星飛行へ重要な示唆

昨年火星に到着したマーズ・サイエンス・ラボラトリー(愛称「キュリオシティ」)は、火星表面で大活躍していますが、実は到着前にも重要な仕事をしてきました。地球から火星までの間に探査機が浴びた放射線量の測定です。このほど、その結果がまとまり、将来の有人火星飛行に重要なデータを提供することとなりました。 今回の放射線量の測定では、マーズ・サイエンス・ラボラトリーに搭載された、高エネルギー粒子測定装置(RAD: ...

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