中国の月探査機

嫦娥4号、月で「6日め」の夜を迎える

今年1月に月に着陸した中国の月探査機「嫦娥4号」は、ミッションを順調に推進しています。人民網日本語版によると、嫦娥4号とそのローバーである「玉兎2号」は、6日目の昼の活動を順調に終え、北京時間の6月9日午後11時40分、夜の期間を過ごすための「スリープ状態」に入ったとのことです(記事では午後10時ともなっていますが、どちらがスリープに入った時間なのかは記事からはわかりません)。 私たちはなかなか忘れがちなのですが、まず、月の「1日」、つまり太陽が出て沈み、次の太陽が出るまでの期間は約28日です。ですから、昼が約14日、夜も約14日となります。 昼間は太陽電池が動き、探査機の活動が可能ですが、夜の期間は太陽が出ませんから発電ができません。しかも、空気がないために温度が急速に下がってしまいます。そのため、夜の期間は探査機を「冬眠」させる、つまり、機器の電源を切ってなるべく長持ちさせるモードに入ることになります。これがスリープモードです。 なお、6日目の日中の活動は成城に行われたようです。人民網日本語版の記事によると、玉兎2号の走行距離は212.99メートルに達し、各種の科学ミッションを着実に実行しているようです。 また、5回目の科学探査データの送信も行われたようです。データの総量は1654.1メガバイト(約1.6ギガバイト)。DVDディスク3分の1くらいのデータとなります。かなりの量のデータであることがわかります。ファイル数に換算すると237個になるそうです。 人民網日本語版の記事 http://j.people.com.cn/n3/2019/0612/c95952-9587039.html 嫦娥計画 (月探査情報ステーション) https://moonstation.jp/ja/history/Chang_e/

By |2019-07-08T15:38:38+09:002019年6月15日|嫦娥4号|嫦娥4号、月で「6日め」の夜を迎える はコメントを受け付けていません

嫦娥4号の着陸地点が「天河基地」と命名される

今年1月3日に世界初の月の裏側への着陸を行った中国の探査機「嫦娥4号」ですが、この着陸点が「天河基地」と命名されました。また、周辺のいくつかの地名についても命名されています。人民網日本語版が伝えています。   嫦娥4号着陸点とその付近で命名された地名(写真: 新華社) これらの地名は、中国の月探査を実施している中国国家航天局と、中国科学院、そして国際天文学連合(IAU)が15日に合同で記者会見を開いて発表したものです。 月に限らず、太陽系の天体の表面の地形の命名は全て、IAUの中にあるグループ「惑星システム命名ワーキンググループ」(WGSPN)が決定します。今回はIAUの承認を受けたわけで、これらの地名は正式なものとして使われます。 なお、これらの写真は、着陸する前の嫦娥4号、及び2010年に月に到着した周回機である嫦娥2号が撮影したものです。 今回命名された地名は、着陸点に加え、その周囲にある3つのクレーター、そして中央にある山です。この山は、着陸したフォン・カルマン・クレーターの中央丘です。 [...]

By |2023-07-10T10:01:24+09:002019年2月19日|嫦娥4号|嫦娥4号の着陸地点が「天河基地」と命名される はコメントを受け付けていません

嫦娥4号のローバー・着陸機デザインが公表、命名コンテストも開始

この冬にも打ち上げが予定されている中国の月探査機「嫦娥4号」のローバーと着陸機のデザインが発表されました。国家国防科技工業局月探査・宇宙事業センターが15日に公表したものです。人民日報の日本語版、英語版が伝えています。 2018年8月15日に発表された、嫦娥4号のローバーのデザイン。出典: 新華社   2018年8月15日に発表された、嫦娥4号の着陸機のデザイン。出典: 新華社 [...]

By |2023-07-10T10:01:26+09:002018年8月20日|嫦娥4号|嫦娥4号のローバー・着陸機デザインが公表、命名コンテストも開始 はコメントを受け付けていません

【一部修正】嫦娥4号の通信衛星が「鵲橋」(じゃっきょう)と命名される

今年(2018年)打ち上げ予定の中国の月探査機「嫦娥4号」に搭載される予定の小型通信衛星が、「鵲橋」(じゃっきょう…記事最後の編集長注参照)と命名されました。人民網日本語版が伝えています。 嫦娥4号は、中国としては2つ目となる月着陸探査機です。 中国の月探査は、「周回」「着陸」「サンプルリターン」という3段階で進める戦略となっていて、それぞれの段階に2機の探査機が用意されます。1機目は確実な成功を、2機目は1機目のバックアップの役割はもちろん、1機目が成功していればより挑戦的なミッションを行うことを狙います。 嫦娥4号は、3号が成功していることもあり、まさにこの「挑戦的なミッション」を実施します。史上初の「月の裏側への着陸」を目指すことになっているのです。 ただ、ご存知の通り、月の裏側は私たち地球からは見えません。見えないということは、電波もそのままでは通信できないということになります。このためには、上空を周回して通信を中継する衛星が必要になります。 日本の月探査衛星「かぐや」でも、同じような目的で、「リレー衛星」が搭載されました。 今回は、中国の宇宙の日である4月24日に、この小型通信衛星を開発した黒竜江省のハルビン中央大学で名前が発表されました。 名前の「鵲橋」ですが、これは実は、日本人にもなじみが深い七夕の伝説から来ています。 これまた皆様ご存知の通り、七夕の日には、織姫と彦星が出会います。この2人(2つの星)、ふだんは天の川で隔てられていますが、七夕の日だけはここに橋がかかり、2人が出会えるようになっています。この橋はカササギという鳥が翼を広げて作られるという伝説があります。難しい漢字の「鵲」はカササギの意味です。 このカササギの橋を彦星が渡って、2人が出会うことになっています。 [...]

By |2018-05-03T19:40:32+09:002018年4月30日|嫦娥4号|【一部修正】嫦娥4号の通信衛星が「鵲橋」(じゃっきょう)と命名される はコメントを受け付けていません

中国の嫦娥4号、今年後半に打ち上げ

中国は、月探査を非常に積極的に進めていますが、その姿勢は全く変わらないようです。 中国の月着陸機「嫦娥4号」が、年内に打ち上げられることが判明しました。また、その詳しい内容が少し明らかになりました。人民網日本語版などが伝えています。 嫦娥4号の作業模式図。嫦娥4号は月の裏側の南極-エイトケン盆地に着陸する。中継衛星を使って地球からの通信を中継するほか、電波を使った宇宙科学的実験も実施する。嫦娥4号は嫦娥3号と同様、着陸機とローバーで構成される。(図出典: 人民網日本語版) 全国政協委員であり、中国航天科技集団第五研究院党委書記である趙小津氏が明らかにしました。 既報通り、嫦娥4号は、史上初の月の裏側への着陸を予定しています。成功すればもちろん人類初です。 着陸場所は、月の裏側の南半球にある「南極-エイトケン盆地」とのことです。この盆地は太陽系で最大級のクレーターで、直径が約2500キロもあります。おそらく月ができた頃に巨大な天体が衝突してできたと考えられていますが、成因などはまだ謎に包まれています。 嫦娥4号はこの盆地の「どこか」に着陸することになると思われます。 [...]

By |2023-07-10T10:01:30+09:002018年3月15日|嫦娥4号|中国の嫦娥4号、今年後半に打ち上げ はコメントを受け付けていません
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