今年1月3日に世界初の月の裏側への着陸を行った中国の探査機「嫦娥4号」ですが、この着陸点が「天河基地」と命名されました。また、周辺のいくつかの地名についても命名されています。人民網日本語版が伝えています。

 

嫦娥4号着陸点とその付近で命名された地名

嫦娥4号着陸点とその付近で命名された地名
(写真: 新華社)

これらの地名は、中国の月探査を実施している中国国家航天局と、中国科学院、そして国際天文学連合(IAU)が15日に合同で記者会見を開いて発表したものです。
月に限らず、太陽系の天体の表面の地形の命名は全て、IAUの中にあるグループ「惑星システム命名ワーキンググループ」(WGSPN)が決定します。今回はIAUの承認を受けたわけで、これらの地名は正式なものとして使われます。
なお、これらの写真は、着陸する前の嫦娥4号、及び2010年に月に到着した周回機である嫦娥2号が撮影したものです。

今回命名された地名は、着陸点に加え、その周囲にある3つのクレーター、そして中央にある山です。この山は、着陸したフォン・カルマン・クレーターの中央丘です。

天河は中国語で「天の川」の意味です。基地という意味のラテン語(stabio)をつけて「Stabio Tianbe」が正式な名前になります。
そして、この基地をはさむようにして南北にあるクレーターは、北側のものが「織女」(いうまでもなく「織姫」)(英語名称ではZhinyu)、南側のものが「河鼓」(中国語で「彦星」の意味)(英語名称ではHegu)と名付けられました。私たちにもなじみ深い天の川伝説ですね。着陸点(の天の川)を挟んで、織姫と彦星が向かい合っている形です。

また、着陸点から北東にあるクレーターは「天津」と名付けられています。
さて、ここで皆さん疑問に思われるかも知れません。なんで2つのクレーターが「織姫」「彦星」と来たのに、3つめが星と全然関係ない中国の大都市「天津」の名前なのか、と。
実はこれは、中国の大都市「天津市」ではありません。はくちょう座の「デネブ」を意味します。
上の図をよくみてみて下さい。3つのクレーターが三角形を描いていますね。織姫星(ベガ)と彦星(アルタイル)とくれば、夏の夜空に描かれる大きな三角形「夏の大三角形」を思い出すのではないでしょうか。その三角形の3つめの頂点になるのが、はくちょう座にある明るい星、デネブです。中国語ではデネブを「天津」(正確には天津四)といいます。
こうして、月にクレーターの「夏の大三角」ができ上がったというわけです。

なお、残る「泰山」ですが、これは中国・山東省にある、観光地としても名高い名山の名前をとったものです。

織女クレーター

嫦娥4号着陸点付近の「織女クレーター」
(写真: 新華社)

彦星クレーター

嫦娥4号着陸点付近の「彦星クレーター」
(写真: 新華社)

 

天津クレーター

嫦娥4号着陸点付近の「天津クレーター」
(写真: 新華社)

 

月の「泰山」

嫦娥4号が着陸したフォン・カルマン・クレーターの中央丘「泰山」
(写真: 新華社)