今年1月に月に着陸した中国の月探査機「嫦娥4号」は、ミッションを順調に推進しています。人民網日本語版によると、嫦娥4号とそのローバーである「玉兎2号」は、6日目の昼の活動を順調に終え、北京時間の6月9日午後11時40分、夜の期間を過ごすための「スリープ状態」に入ったとのことです(記事では午後10時ともなっていますが、どちらがスリープに入った時間なのかは記事からはわかりません)。

私たちはなかなか忘れがちなのですが、まず、月の「1日」、つまり太陽が出て沈み、次の太陽が出るまでの期間は約28日です。ですから、昼が約14日、夜も約14日となります。
昼間は太陽電池が動き、探査機の活動が可能ですが、夜の期間は太陽が出ませんから発電ができません。しかも、空気がないために温度が急速に下がってしまいます。そのため、夜の期間は探査機を「冬眠」させる、つまり、機器の電源を切ってなるべく長持ちさせるモードに入ることになります。これがスリープモードです。

なお、6日目の日中の活動は成城に行われたようです。人民網日本語版の記事によると、玉兎2号の走行距離は212.99メートルに達し、各種の科学ミッションを着実に実行しているようです。
また、5回目の科学探査データの送信も行われたようです。データの総量は1654.1メガバイト(約1.6ギガバイト)。DVDディスク3分の1くらいのデータとなります。かなりの量のデータであることがわかります。ファイル数に換算すると237個になるそうです。