アメリカの火星探査。史上初の火星地下構造探査を行う。2018年打ち上げ。2022年末にミッション終了。

火星探査機インサイト、着陸に成功

今年(2018年)5月に打ち上げられた火星探査機インサイトは、約半年の飛行を経て、11月26日、火星に無事着陸しました。火星の地下を調べるという史上初のミッションがいよいよ始まります。インサイトの着陸によって、現在火星で活動中の探査機は合計で9機、そのうち地表で活動する探査機は3機(ローバー2台、着陸機1機)となりました。 火星表面に着陸したインサイト探査機の想像図。手前の丸いものは地震計。(Photo: NASA/JPL-CALTECH) インサイトは、5月5日に打ち上げられ、火星までの4億8500万キロの旅を経て、火星の赤道付近にあるエリシウム平原に着陸しました。到着の信号は午前11時52分(アメリカ太平洋標準時。日本時間では翌27日の午前4時52分)に地球に到着しました。 今回の到着の信号は、同時に打ち上げられた超小型衛星(キューブサット)である「マーズ・キューブ・ワン」(MarCO)によって中継されました。このキューブサットは2つあり、両者でインサイトの電波の中継を試みました。なお、火星へのキューブサットの打ち上げは史上初となり、それが動作したということも史上初です。MarCOは、インサイトの火星大気圏突入、降下、着陸まで全ての過程を見守りました。 実はこのMarCO、活躍はこれだけで、あとは任務終了となります。たったその瞬間だけの活躍でしたが、任務を立派に果たしたことになります。 「カバンほどの大きさの小さな衛星にとって、これはまさに偉大な第一歩だ。キューブサットには地球外に大きな未来があり、我々はその未知を切り開けたことをうれしく思っている。」(MarCOの開発責任者である、JPLのジョエル・クライェフスキー氏) [...]

By |2023-07-10T10:01:26+09:002018年11月27日|インサイト|火星探査機インサイト、着陸に成功 はコメントを受け付けていません

火星探査機インサイト、火星への旅のちょうど半分が経過

5月に打ち上げられた火星探査機「インサイト」が、火星への旅のちょうど半分の行程に達しました。 インサイトは、火星の内部構造を調べることを目的とした探査機です。内部構造を調べる目的が火星に打ち上げられるのははじめてです。この目的のため、地震計や熱流量計といった、火星内部の情報を捉えるための装置を搭載しています。 https://twitter.com/NASAInSight/status/1026163428144996352 インサイトの公式ツイッター(一人称でのつぶやきです。最近のアメリカの探査機は一人称でのつぶやきが多くなっていますね)によると、現在インサイトは3億マイル(約4億8000万キロ)の旅のちょうど半ばにおり、飛行速度は時速6200マイル(時速約1万キロ、秒速換算で約2.75キロ)とのことです。 インサイトの火星への到着は今年11月26日が予定されています。 インサイト (月探査情報ステーション) https://moonstation.jp/challenge/mars/exploration/insight

By |2018-08-06T16:48:52+09:002018年8月6日|インサイト|火星探査機インサイト、火星への旅のちょうど半分が経過 はコメントを受け付けていません

NASA、火星探査機インサイトを5月に打ち上げへ

NASAは30日、史上初となる火星の内部構造探査のための探査機「インサイト」を5月に打ち上げると発表しました。2016年打ち上げの予定であったものが、直前(2015年)に搭載機器のトラブルにより打ち上げが2年延期され、満を持しての打ち上げとなります。 火星に着陸したインサイトの想像図 (Photo: NASA/JPL-CALTECH) インサイトは、これまでの火星探査機とは異なり、火星の内部構造を調べるという目的を持った探査機です。 もちろん地球でもそうですが、天体の内部構造を直接、例えば掘って調べるということはまずできません(地殻あたりの「浅い」ところならまだともかくとして)。そのため、天体の内部構造を調べるためには、天体の中を伝わってくる情報…基本的には地震波を利用します。 このため、インサイトにはメインの測定機器として、地震計が装備されています。上記「インサイト」の写真で、探査機の手前にある丸い、ボールを伏せたような装置が地震計です。 地震計を送り込むということは、当然のことながら、火星に地震があるかどうかを調べることにもつながります。 [...]

By |2023-07-10T10:01:29+09:002018年4月4日|インサイト|NASA、火星探査機インサイトを5月に打ち上げへ はコメントを受け付けていません

火星探査機インサイトの打ち上げは2018年5月で再設定

エクソマーズの打ち上げが近づいていますが、本来今年は2機の火星探査機が打ち上がる予定でした。そのもう1機は、NASAの火星探査機「インサイト」です。 打ち上げは2018年3月…つまり、今月に設定されていましたが、搭載機器のトラブルにより、延期となっておりました。NASAは9日、インサイトの打ち上げを2018年5月に再設定すると発表しました。 新しい予定では、打ち上げは2018年の5月5日(正確には打ち上げウィンドウがこの日から開始)となり、この日に打ち上がった場合、到着は同年の11月26日になるとのことです。 火星探査機インサイトの想像図 (Photo: NASA) [...]

By |2023-07-10T10:01:55+09:002016年3月12日|インサイト|火星探査機インサイトの打ち上げは2018年5月で再設定 はコメントを受け付けていません

中国、2020年に火星探査を実施か?

中国はこれまで、火星(探査)にも興味があるということをたびたび表明してきました。どうやらその動きが本格的になってきたようです。このほど中国が、2020年に火星探査機を打ち上げ、2021年に着陸させるという計画を持っていることが明らかになりました。いろいろなメディアが報道しています。 上海の第17回中国国際工業博覧会で展示された中国の火星探査機の模型。実物の3分の1スケールということで、上部が周回機、下部が着陸機とのこと。人民網より。 この発表を行ったのは、中国の月探査計画の技術面でのリーダーである葉培建氏です。 葉氏の発表によると、中国の火星探査機は、火星探査の好機である2020年に打ち上げられ、7ヶ月の飛行ののち、2021年に着陸するということです。また、ローバーも搭載し、火星表面を動き回って探査することも予定されています。このローバーは、現在嫦娥3号により月面に運ばれ、活動をしている「玉兎」ベースになるものとみられます。また、チャイナ・デイリーによると、探査機は月探査機「嫦娥3号」をベースにするとのことで、現時点では長距離通信についての技術開発を先行して行っているようです。ただ、月と火星は環境が大きく異なりますので、それに合わせるための新たな技術の開発、あるいは探査機の改造は当然必要となるでしょう。 葉氏は、このスケジュール(4年で開発)は非常に厳しいスケジュールだが、チームとしてはそれを成し遂げる自信があると述べています。 中国の火星探査については、以前から開発中であるという情報がありました。昨年11月にも、上海で開催された第17回中国国際工業博覧会に火星探査機が展示されたということがありました(上記の写真はそのときのものです)。このときすでに探査機は着陸機と周回機の2段構成となっていましたが、模型全体の精密さがそれほどなかったこともあり、火星探査は(編集長としては)まだ先かと考えていました。上記の葉氏の発言は、火星探査を確実に実現させる方向であるということと共に、それをかなり早いタイミングで実現させることを示しています。 中国の火星探査は2011年にさかのぼります。この年に打ち上げられたロシアの火星探査機「フォボス・グルント」に相乗りする形で、中国初の火星探査機「蛍火1号」が打ち上げられました。しかし、本体のフォボス・グルントが地球脱出に失敗、最終的には地球へと墜落してしまい、蛍火1号はそれと運命を共にしました。 今回の探査は中国製のロケットを使い、100パーセント中国独自のものとなるようです。 [...]

By |2023-07-10T10:01:55+09:002016年3月7日|アル・アマル, インサイト, エクソマーズ, フォボス・グルント/蛍火1号, マーズ2020, マンガルヤーン, 天問1号|中国、2020年に火星探査を実施か? はコメントを受け付けていません
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