2017年も残りわずかとなりました。
今年も、月探査情報ステーションをご愛顧いただきまして、ありがとうございました。
月・惑星探査に関しては、今年も様々な話題がありました。膨大なブログ記事の中から、月ごとに振り返っていきたいと思います。
【1月】
年明け早々の5日、NASAの新惑星探査ミッションとして小惑星探査が2つ選定されるというニュースが入りました。特に、金属質の小惑星「プシケ」を探査するという野心的なミッションは話題となりました。
16日、「月面を最後に歩いた男」、アポロ17号の宇宙飛行士ユージン・サーナン氏が死去しました。アポロもまた一歩、遠くなりました。
24日、グーグル・ルナーXプライズの最終候補5チームの1つに、日本のHAKUTOが選定。打ち上げは来年1〜3月となる予定です。
若干個人的なニュースではありますが、私の先輩であり、「かぐや」「はやぶさ2」開発に尽力し、44歳という若さで亡くなった飯島祐一氏の名前が小惑星に付けられました。
【2月】
「かぐや」が取得したデータを解析することにより、地球の大気中に存在する酸素が月にまで届いているということが明らかになりました。大阪大学の寺田健太郎教授のチームの研究成果です。地球と月とのつながりを改めて感じさせる話題でした。
27日には、スペースXのCEO、イーロン・マスク氏が声明を発表、2名の乗員を乗せて月周回飛行を2018年中に行うと宣言しました。この計画のその後はどうなっているのでしょうか。
【3月】
インド、中国の月・惑星探査関係の記事が目立ちました。
月からの無人サンプルリターンを目指す嫦娥5号が打ち上げ場へ移動、打ち上げ体制が整いました。なお、その後打ち上げに使用するロケット「長征5号」の打ち上げ失敗の関係で本来の年末の打ち上げが延期されています。また、中国の小惑星探査計画も進展しています。
インドが月探査機「チャンドラヤーン2」の打ち上げを来年第1四半期に行うことが発表されました。1月に発表されたHAKUTOの打ち上げはインドのチーム「チーム・インダス」と行いますが、このチャンドラヤーン2はインド宇宙研究機関のプロジェクトです。インドの月・惑星探査の勢いを示すニュースといえるでしょう。
一方、アメリカの小惑星探査計画は継続が困難となってきています(現時点ではほぼキャンセルとなっています)。
【4月】
前月のスペースXの計画に対抗したのでしょうか、ボーイング社が3日、月・惑星探査機の構想を発表しました。競争による技術の進展が期待されます。
9月にミッションを終了する土星探査機カッシーニ、その最後のミッション「グランドフィナーレ」が始まりました。土星の本体と輪の間をくぐり、最後は土星大気に突入して消滅するという大胆なミッションです。27日にはその最初の探査を実施。これまでにない鮮明な写真が得られました。
【5月】
HAKUTOが、打ち上げロケットの変更に伴う費用の一部をクラウドファンディングで賄うことに成功しました。
木星探査機ジュノーが捉えた、木星のダイナミックな大気の模様の写真と動画が公開されました。これまで私たちが見たことのない木星の姿はまさに驚くべきものでした。
また、アメリカと中国で、宇宙資源関係の記事が出てきたことは注目されます。宇宙資源は将来の月・惑星探査の大きな目標になるかも知れません。
【6月】
嫦娥4号、5号関係の記事が目立ちました。嫦娥4号は史上初の月の裏側への無人着陸を目指す中国の探査機です。
嫦娥5号の打ち上げが11月30日、着陸場所がリュムケル山という情報が流れました(打ち上げが延期され、来年になったのは先に述べた通りです)。また、嫦娥4号には初の生物実験装置が搭載されることもわかりました。
NASAの小惑星探査計画「小惑星イニシアチブ」の柱となっていた小惑星捕獲・有人探査機計画「アーム」の中止が報道されました。また、日本の有人月探査参入というニュースが早くも流れています。
7〜12月のまとめにつきましては、明日公開の予定です。