火星探査 (ブログ)

火星のクレーターにかつて湖があった…MROのデータで判明

6年以上にわたって観測を続けているアメリカの火星周回探査機「マーズ・リコネサンス・オービター」(MRO)のデータにより、火星のクレーターにかつて地下の湖が存在した証拠があることが明らかになりました。今回の研究論文は、1月20日付の科学雑誌ネイチャー・ジオサイエンス(オンライン版)に掲載されました。 今回の解析は、MROに搭載されているスペクトロメーターのデータによって明らかになりました。この場所はマクローリン・クレーターという場所で、直径は92キロメートル、深さは2.2キロメートルあります。このクレーターは、火星のアラビア平原と呼ばれる場所の西側にある、何百キロメートルにもわたって続く斜面のいちばん端にあり、火星では比較的低い場所にあります。地球でも地下水から湧きだしてできた湖はこのように標高が低い場所に存在することが多く、稼いでも同じことが起きていることは十分に想像ができます。 ...

キュリオシティの初掘削の場所を選定

マーズ・サイエンス・ラボラトリー(MSL。愛称「キュリオシティ」)の初掘削の場所が決まりました。平らな岩石の中にある薄い色の岩脈で、そこにかつての水が多かった環境の手がかりがあると期待されます。掘削について問題がないことが技術者の間で確認できれば、数日以内に掘削を開始し、MSLの最初のミッションとして、掘削サンプルの分析が行われることになります。 今回選定された岩は、キュリオシティに搭載されているマストカメラから観測した結果選ばれたものです。カメラがみえる範囲内にある岩脈、小岩、地層、砂岩中の光沢を持つ石、さらには地面の穴などの中から選ばれました。岩石の名前は、おととし(2011年)に亡くなったMSLの副プロジェクトマネージャーの名前にちなみ、「ジョン・クライン」(John ...

NASAが新しい火星探査長期プログラムを発表

マーズ・サイエンス・ラボラトリー「キュリオシティ」の成功を受けて、NASAはこのほど、長期にわたる火星探査プログラム計画を発表しました。この計画の中には、2020年に打ち上げ予定の新しい無人探査ローバーが含まれています。この新しい計画は、NASAが今後も火星探査を精力的に行い、アメリカの科学的、そして将来の有人探査へ向けて努力していくことを示しています。 NASA長官のチャールズ・ボールデン氏は、「オバマ政権は長期にわたる確固とした火星探査計画に深く関与している。新しい探査で、私たちはアメリカが火星探査において世界トップの維持を維持できると確信している。と同時に、2030年代に有人火星探査を行うという私たちの目標に沿った重要な飛躍となるだろう。」という声明を発表しています。 ...

2016-04-06T01:58:27+09:002012年12月8日(土)|火星探査 (ブログ)|

「オポチュニティ」がクレーターの縁の探査を終了

今年は火星ローバー「キュリオシティ」の着陸が大きな話題になりましたが、8年前に着陸し、9年目を迎えようとする今も活動を続けている火星ローバー、マーズ・エクスプロレーション・ローバー「オポチュニティ」を忘れてはなりません。 「オポチュニティ」は現在も探査を続行中です。このほど、クレーターの縁の探査を終了することになりました。マーズ・エクスプロレーション・ローバーの主任科学者であるコーネル大学のスティーブ・スクワイヤーズ教授は、「もしあなたが地質学者で、このような(いま「オポチュニティ」がいるような)場所を探索しているのだとしたら、まず露頭を見つけて歩きまわることだろう。ちょうどそれが終わったところだ。」と語っています。 ...

キュリオシティが分析した岩に驚きが広がる

火星探査機マーズ・サイエンス・ラボラトリー(愛称「キュリオシティ」)が最初に分析した岩は、これまでの探査で考えられていたよりも複雑な組成を持っていることがわかり、科学者を驚かせています。また、地球内部の岩に似ていることもわかってきました。 マーズ・サイエンス・ラボラトリーの科学チーム共同研究科学者であるカリフォルニア工科大学のエドワード・ストールパー氏は、岩の科学分析結果についてこのように述べています。「今回発見された岩の科学分析結果をみると、かなり奇妙な点はあるのだが、岩自体は地球上の火山地帯によく存在する、いわゆる玄武岩に属するものである。ただ、火星で見つかっている同種の岩はたった1種類で、今回の岩がそれと同じような過程でできたのかどうか、現時点では断言できない。ただ、その岩の起源を考える上でここはいい場所かも知れない。」実際、このような岩石は地球上ではマントル由来と考えられるもので、かなり水を多く含むマグマから結晶化する過程でできてくることが知られています。 ...

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