今のところ、月の内部構造については、大まかなことしかわかっていません。それによると、月も地球のように、「地殻」「マントル」「コア」に分かれていると考えられています。
このコアについては、おそらく地球と同じように、鉄(鉄とニッケル)でできていると考えられています。
しかし、そもそもコアがあるかどうか、という点についても、科学者の間では完全な意見の一致をみていません。アポロ計画における月震の解析結果では、コアがあるという考え方が有力にはなりましたが、完全に説得力がある証拠は提示できませんでした。1998年のルナー・プロスペクタ計画では、軌道の解析などから、月の内部に重い物質でできたコアが存在する可能性が高いことがわかってはきましたが、大きさについては半径が200〜600キロの範囲と、あまりはっきりと同定することはできませんでした。
以前計画されていたルナーA計画では、月震を測定することで月のコアの存在を確かめる予定でした。「かぐや」では、搭載されている重力測定のための装置で、月の内部構造について明らかにできると期待され、現在解析が進められています。
また、ロシアが2012〜2013年に打ち上げる予定の「ルナグローブ」探査機では、12本のペネトレータを搭載して、月の内部構造を探る計画になっています。私たちは近いうちに、月の内部にコアがあるか、あるとしてどのくらいの大きさなのかを知ることができるでしょう。
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