ルナープロスペクター (LUNAR PROSPECTOR)
:アメリカ合衆国
ルナープロスペクターは、クレメンタインで存在の兆候が観測された水(氷)の確認と、これまでの月探査では実施されてこなかった月の極地域の観測、重力場の測定を実施するために、1998年に打ち上げられました。
搭載された観測機器は、ガンマ線分光計、中性子分光計、磁力計/電子反射計、アルファ粒子分光計、ドップラー重力計測装置です。
ルナープロスペクターは米国の「ディスカバリー計画」において、競争の結果勝ち残って選択されたものです。このミッションは短期間の開発(約22ヶ月)と低コスト(6300万ドル)も一つの特徴としています。このため、形状的には伝統的なスピン衛星形態をとり、材質はグラファイト-エポキシの複合材製、サイズは小型で、搭載機器の数や重量も切り詰めています(5種類)。
ルナープロスペクターが中性子を分光観測した結果から、月の極地域の永久影の部分に約60億トンの水(氷)が存在する可能性が大きいことが示されました。また、磁場や月の内部構造にも新たな見解が得られました。ルナープロスペクターは、この水の存在をさらに明確にすべく、基本ミッションが終了した後の1999年7月31日に衛星自身を極地域に衝突させ、その際に飛散した物質の観測からから水の存在を探ろうとする追加(最終)ミッションが実施されました。しかし、現在のところ、この衝突の観測結果から水の存在に結びつくデータは得られていません。
データ
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サイズ |
直径1.28メートル(円筒形)
1.37メートル(高さ) |
質量 |
約296キログラム(燃料搭載)
約158キログラム(ドライ) |
推進系 |
22ニュートンヒドラジン・スラスタ×6 |
電力源 |
太陽電池(202ワット出力)、NiCdバッテリ(4.8Ah) |
その他 |
観測機器搭載のための、放射状に伸びた3本のブーム(2.5メートル)を有する。 |
年表 |
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1998.01.06 |
アテナ2により打ち上げ。 |
1998.01.15 |
月周回軌道からデータの送信開始。 |
1998.03.05 |
月の極地域での水存在の兆候を得る。 |
1999.01 |
低高度での追加ミッション運用に入る。 |
1999.07.26 |
最終(追加)ミッションのため、軌道変更開始。 |
1999.07.31 |
月の極地域に落下(衝突)。 |
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出典: |
「スペースガイド1999」 (財)日本宇宙少年団編 丸善株式会社刊
NASA Press Kit |
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