クレメンタイン(CLEMENTINE):アメリカ合衆国
クレメンタインはアポロ計画が終了した後、久々に打ち上げられた米国の月探査衛星です。
この探査機はアメリカ国防総省が冷戦終結により不要となった軍事衛星を科学ミッションへ転用するという形で軍とNASAの共同プロジェクトで実施されました。
主なミッションは、宇宙環境下に露出状態でのセンサやコンポーネントの試験をするとともに、月探査と地球に接近する小惑星1620(ジオグラフォス)の探査を実施するというものでした。
クレメンタインに搭載されたセンサは紫外線/可視光カメラ、近赤外カメラ、遠赤外カメラ、高分解能カメラ、レーザー高度計、レーダー、重力実験装置、荷電粒子検出器等です。
クレメンタインのミッションでは紫外線から赤外線までのいくつかの波長やレーザー高度計により月面のマッピングがなされました。この結果、今までより広い範囲での地質や地形データを得ることができました。
また、クレメンタインでの大きな収穫は、月の極地域のクレータの底に水(氷)が存在する可能性があるというデータが得られたことでしょう。この確認は、続くルナープロスペクターへと引き継がれることとなりました。
データ
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質量 |
423キログラム |
推進系 |
500ニュートンスラスタ
22.7ニュートンスラスタ
5.3ニュートンスラスタ |
その他 |
太陽電池装備
3軸安定 |
年表 |
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1994.01.25 |
タイタン2Gにより打ち上げ。 |
1994.02.19 |
月の極軌道に投入。
可視/紫外/赤外による観測器とレーザー高度計により月面計測を実施。 |
1994.04.22 |
可視/紫外/赤外、レーザー高度計による月面地図作製フェーズを終了。 |
1994.05.07 |
月周回軌道離脱後、オンボード・コンピュータの誤動作により燃料を使い果たしたため、以降の姿勢制御が不能になる。
小惑星探査ミッションは不能となる。コンポーネント暴露試験のみ続行。 |
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出典: |
「スペースガイド1999」 (財)日本宇宙少年団編 丸善株式会社刊
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