先日のブログ記事にてお伝えした4月4日の「あかつき」の軌道修正ですが、宇宙科学研究所は8日、この軌道修正が成功したと発表しました。

既報の通り、この軌道修正は、「あかつき」の観測日時を伸ばすことができる可能性があるということを目的に行われました。この軌道修正により、観測期間は800日から2000日までに飛躍的に伸びることになります。もちろん、「あかつき」探査機自身の設計寿命がすでに過ぎている以上、そこまで観測できるかどうかはまだわかりませんが、少なくとも可能性が大いに広がったことは確かです。

「あかつき」の軌道修正

4月4日に行われた「あかつき」の軌道修正についてのイラスト (© ISAS/JAXA)

以前の軌道ですと、日陰時(太陽の光が当たらない時期)が遠金点(金星からもっとも遠い場所)に近いところになっていました。衛星は金星から遠いほど速度が落ちます。そのため、遠金点付近で日陰に入ってしまうと、長い時間太陽の光が当たらない状態となり、「あかつき」搭載のバッテリーではもたなくなってしまいます。
今回の軌道修正ではそのような状態にならないように「微妙な」修正を実施しています。