月探査情報ステーションとは

月探査情報ステーションは、月・惑星探査の情報を中心として、月の科学、さらには月や月・惑星探査にまつわる様々な情報を皆様にお届けする、「月・惑星探査のポータルサイト」です。

このサイトでは、月を中心として、「科学」という視点を中心に取り上げ、月についてどのようなことがわかり、どのようなことがわかっていないのかを解説しています。

そして、まだわからないことを調べようとする「探査」(ミッション)について、最新情報をいち早くお知らせするほか、その背後にある科学などについて、わかりやすく解説しています。

月について、私たちはどの程度のことを知っているのでしょうか? ここでは、月の不思議や謎、解明された事実などをまとめました。科学だけではなく、雑学などの広い話題も網羅しています。

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月は、見て楽しむものでもあります。このカテゴリーには、いろいろな楽しみ方ができるよう、クイズや参加型プロジェクト、ギャラリーなどを取り揃えてあります。

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人間は月に降り立ち、惑星へ探査機を飛ばしてきました。そのチャレンジは今も続いています。ここでは、そういった私たちの外の世界への挑戦をご紹介します。

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お知らせ

2005, 2016

月探査情報ステーションのパートナーに新たに宇宙システム開発様が加わりました

月探査情報ステーションの新たなパートナーに、新たに宇宙システム開発株式会社様が加わりました。
宇宙システム開発様は、日本の宇宙開発を支える企業の1つで、宇宙開発に関連するソフトウェアの開発や技術者の育成、人工衛星開発や各種宇宙関連プロジェクトの支援を始め、宇宙開発に関連する非常に幅広い仕事を行い、日本の宇宙開発を支えています。
また、宇宙開発に特化したユニークな人材紹介サイト「かけはし」を運営するなど、特に人材という側面から宇宙開発を支えることを非常に重視している会社でもあります。

この度、月探査情報ステーションの趣旨にご賛同いただき、4社目のパートナーとして加わっていただくことになりました。
月探査情報ステーションの運営を支え、共に宇宙開発、そして月・惑星探査を進めていくという趣旨にご賛同をいただいたことに、編集長、そしてスタッフ一同深く感謝いたします。

2005, 2016

収入および支出の状況を更新しました

月探査情報ステーションの収入および支出の状況を、現時点の最新の状況に更新いたしました。
収入の状況につきましては、昨年夏ころから更新が停止しておりまして申し訳ありませんでした。

1905, 2016

ESAが火星ローバーのレゴモデルを製作…その目的は?

ヨーロッパ宇宙機関(ESA)が、2020年打ち上げ予定の火星探査機「エクソマーズ」のローバーのレゴモデルの写真を公開しました。これだけですとなんか微笑ましい記事でもあるのですが、実はしっかりとした目的があるのです。

火星着陸機を火星にしっかりと着陸させるのは、当然のことながら重要、というよりは必ず行わなければならない任務です。ヨーロッパはかつて、「ビーグル2」という火星着陸機を2003年に火星に送りましたが、降下途中で行方不明となり、火星着陸に失敗したという苦い経験があります。ですから、次は失敗するわけにはいきません。

このローバーは、実は技術者たちが「出口テスト」(egress test)というものを行うために製作されたものです。
着陸後、ローバーをどのように動かすかというのは大きな問題です。なにしろ火星は遠いところにあります。指令を送ったとしても届くには十数分かかります。そして、カメラなどでしか状況を把握できませんので、下ろしたはいいがカメラに写っていない障害物があってローバーを着陸機から下ろせなかった、などという事態も起こりえます。

そこでこのテストでは、2方向あるローバーの下り口のどちらから降りるか、限られた情報をもとにどう判断するかというテストを行っているのです。
技術者たちがこの小さなレゴローバー・着陸機で経験を積むことによって、何らかの事態に対応できる技術も磨かれますし、ローバーや着陸機の制御プログラムもより洗練され、安全性の高いものにしていけます。

現在、ESAではフランス・ツールーズにある施設の中の一角「火星ヤード」に、実機の半分の大きさのローバーが置いてあり、これでの試験を行っているそうです。ローバーの操作チームはそこから1000キロ以上も離れたオランダ・ノルドバイクにあるESAの技術センター(ESTEC)から操縦しています。ここから、カメラの情報だけをもとに着陸機からローバーを下ろし、「火星」の地表の上を走らせるという訓練、というかテストを行っているのです。

このようなテストを繰り返すことで、ESTECの技術チームは、ローバーが置かれている正確な場所を知らなくても、限られた写真やセンサーの情報を頼りに、ローバーを正しく走行させることができるようになるというわけです。
このレゴ製ローバーは、その試験のために、状況をよりわかりやすくみせるという効果があるというわけです。

エクソマーズは、前段となる周回機および着陸実証機が3月に打ち上げられ、現在火星へと向かっています。後段となるこの火星ローバーを含めた打ち上げは、本来2018年に予定されていましたが、機器開発の遅れなどから2020年へと延期されました。

ESAの記事 
http://www.esa.int/spaceinimages/Images/2016/05/Lego_ExoMars_model
エクソマーズ (月探査情報ステーション)
http://moonstation.jp/ja/mars/exploration/ExoMars/

1805, 2016

JAXAの月着陸探査機スリムは三菱電機が受注か? 〜日本経済新聞が報道〜

2019年の打ち上げを目指してJAXAが計画を進めている月着陸探査機「スリム」(SLIM)ですが、本日(5月18日)付の日本経済新聞は、この探査機の開発について三菱電機が受注したと報道しています。
報道の内容はまだ確認できていませんが、もし事実だとすると、三菱電機製の探査機としては月・惑星探査分野としてははじめて、ということになります。

これまで、特に旧・宇宙研(ISAS)系の衛星は主に日本電気(NEC)が、旧・宇宙開発事業団(NASDA)系の衛星は三菱電機が受注するという形が多く、特に月・惑星探査機についてはNECがほぼ独占しているといっても過言ではありませんでした。今回の決定がもし正しいとすれば(いずれリリースが出ると思いますが)、おそらくは先般の天文衛星「ひとみ」の事故が影響しているのではないかとも推測されます(「ひとみ」はNECが製作していました)。

日本経済新聞の記事 (全文購読は読者登録が必要)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ17HUM_X10C16A5TI1000/

1705, 2016

木星探査機「ジュノー」のページを修正

最近アクセスが増えている、木星探査機「ジュノー」のページを修正しました。
トップページからトピックスのページ(ブログのカテゴリー)へ飛ぶリンクが古いままだったため修正を行いました。また、一部ブログ記事で写真が抜けたままとなっていましたが、こちらも修正しております。

905, 2016

韓国の月探査機の搭載科学機器が決定

少し古くなってしまいましたが、4月20日付の韓国のIT系ウェブメディア「ETニュース」に、韓国が打ち上げる予定の月探査機に搭載される3つの科学機器が決定したという記事が掲載されました。

記事では打ち上げは2018年となっております。これまでお伝えしてきた記事では、韓国は2020年に月探査機を打ち上げる予定で、その構成は月着陸機とローバーであるということでしたが、今回の記事では、その前に…再来年には周回機を打ち上げるということになっています。ともかくもみていきましょう。

今回記事の中で搭載予定とされている観測機器は以下の通りです。

広視野偏光カメラ (Pantoscopic Polarizing Camera)
磁力計 (Measurement Device for Moon’s Magnetic Field)
ガンマ線スペクトロメーター (Gamma Ray Spectroscope)

これは、韓国で宇宙開発などを所管する省庁である未来創造科学部(日本でいう「省」にあたります)が19日に発表したもので、機器選定委員会が9つの機器候補の中から選んだものです。機器選定委員会は1月に開催され、機器の選定にあたっていました。

2018年に打ち上げられる予定の韓国の月探査機は周回機で、月上空100キロを1年以上にわたって周回し、月の地形や資源などを調査するほか、月周辺環境の調査も行う予定とのことです。
なお、この「月上空100キロを1年以上にわたって周回し」という部分ですが、実は月の重力場はかなり変化が激しいため、このような低い(100キロは実際月探査機としては「低い」高度です)高度を周回させるためには、かなりの技術と多くの燃料(軌道を維持するため)が必要となります。日本の月探査機「かぐや」もこの100キロという高度で2年近く周回してきましたが、打ち上げ時3トンという大型の探査機になりました。また、中国初の月周回探査機「嫦娥1号」では、重力の問題を避けるため、200キロという高度での周回になりました(月から遠くなるほど重力の影響が軽減されるため)。韓国がいきなり高度100キロでの月周回に挑戦するというのはよくいえば意欲的なのですが、やや心配な面もあります。

広視野偏光カメラは、世界ではじめて、月面の偏光を測定します。実は偏光測定というアイディアははじめてのものではなく、地上からの偏光観測は昔から盛んに行われています。
月の光は太陽の光を反射したものです。この反射するときに、地面の性質によって光が偏ってしまいます。肉眼では特に変わったところはないのですが、光の振動する方向が変わるため、「偏光フィルター」という装置をつけることによって光の強さの違いを記録することができます。ここから、月の表面の物質がどのようなものであるか(細かさや大きさなど)を知ることができるのです。
etnewsによれば、このデータは将来(おそらく2020年)に予定されている月着陸機の着陸点の参考データとしても使われるとのことです。

磁力計は、「かぐや」にも搭載されていましたし、測るものが「月の磁力」ということでわかりやすいかと思います。月には現在磁場はありませんが、かつては磁場が存在していたことがわかっており、いまでもその当時の磁力がごくわずかながら残されています。また、月で磁力が特に強いところには地質構造上不思議な場所もあり、磁力とその地形(のでき方)との間には何らかの関係があるのではないかと考えられています。
なお、上の図にある磁力計は大きな棒のようになっています。これは、探査機本体の磁場の影響を避けるために、本体からわざと遠くに設置するためです。「かぐや」でもこのように、長い棒の先に磁力計を搭載しました。
ただ、この磁力の測定は実際には非常に大変です。上で述べたように、探査機本体の磁場の影響を避けるためには、「電磁適合性」(EMC)という要素が重要になります。電磁適合性とは、探査機の電気的性質が、搭載している磁力計へ影響を与えないことをいいます。ただ、いうのは簡単ですが実現するのは大変です。探査機の素材を厳密に吟味し、なるべく磁力が発生しないような素材を使う必要もありますし、どうしてもそのような素材を使う場合には影響がどれくらいあるかを見積もり、影響を軽減するような工夫を施さねばなりません。「かぐや」ではこれに大いに苦労したのは、チームにいた私(編集長)がよく知っております。
月の場合は、これも上で述べたように非常に磁力が小さいため、測定に影響を与えないほど本体の磁場を小さくしなければなりません。ほとんど金属でできている磁場の影響を小さくするために、「かぐや」では例えば、本体を覆う遮熱フィルムを、磁場を遮蔽する効果がある特殊なフィルムで作っています。「かぐや」の特徴的な黒い外観は、このフィルムのものなのです。

ガンマ線スペクトロメーターも、「かぐや」に搭載されていた機器です。月の表面に存在する岩石や鉱物を構成する元素から出てくるガンマ線(特に放射性元素)をキャッチし、元素分布を調べるものです。ウランやトリウム、カリウムなどの元素分布を知ることで、その岩石がどのような過程でできてきたのかを推定することが可能です。

なお、etnewsではこの3つの装置のほか、韓国航空宇宙研究院(KARI)が開発するとされる高精度カメラ、さらにはNASAが開発する装置が搭載されることが「期待される」と述べています。NASAの装置がどのようなものなのかについては記事中では触れられていません。

2018年に打ち上げられる月探査機は「テスト」としての位置づけになっているようで、韓国の「巨大一般研究政策」(記事ではこう書かれています。Enormous Public Research Policy)研究所?の所長であるBae Tae-min氏は、「この探査機は将来の月探査へのステップとなり、我々の最新技術を試すものとなる。人類が手を取り合って宇宙の未知の世界を探査するというのは非常に意義深いことであり、科学技術にも貢献するものである。」と述べています。

確かに意義深いことは意義深いのですが、問題は2018年までにその探査機が完成するのか、装置ができ上がるのか、ということです。もう再来年です。しかも月の環境は半端ではありません。「かぐや」でさえ、初期構想から打ち上げまでには10年以上かかっていますし、月の環境を想定して開発は大変でした。それを2年でやってしまえるというは私にはあまりに楽観的なように思えます。
ただ、「先輩たち」の成果を使えばその点はできる、と考えているのかも知れませんが…。
今後も、韓国の月探査計画については継続的に追いかけていきたいと思います。

etnewsの記事 
http://english.etnews.com/20160420200002

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