月探査情報ステーションとは

月探査情報ステーションは、月・惑星探査の情報を中心として、月の科学、さらには月や月・惑星探査にまつわる様々な情報を皆様にお届けする、「月・惑星探査のポータルサイト」です。

このサイトでは、月を中心として、「科学」という視点を中心に取り上げ、月についてどのようなことがわかり、どのようなことがわかっていないのかを解説しています。

そして、まだわからないことを調べようとする「探査」(ミッション)について、最新情報をいち早くお知らせするほか、その背後にある科学などについて、わかりやすく解説しています。

月について、私たちはどの程度のことを知っているのでしょうか? ここでは、月の不思議や謎、解明された事実などをまとめました。科学だけではなく、雑学などの広い話題も網羅しています。

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月は、見て楽しむものでもあります。このカテゴリーには、いろいろな楽しみ方ができるよう、クイズや参加型プロジェクト、ギャラリーなどを取り揃えてあります。

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人間は月に降り立ち、惑星へ探査機を飛ばしてきました。そのチャレンジは今も続いています。ここでは、そういった私たちの外の世界への挑戦をご紹介します。

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お知らせ

612, 2016

はやぶさ2、イオンエンジン第2期連続運転開始 【修正あり】

11月22日、JAXA「はやぶさ2」のチームは、第2期のイオンエンジン連続運転を22日より開始したと発表しました。

「はやぶさ」を知っている方であればすでに基本的な事実かも知れませんが、おさらいしておきましょう。イオンエンジンとは、電気を帯びた粒子(イオン)を電気的に加速し噴射することで加速するというエンジン(広い意味でロケットの一種)です。
イオン自体は本当にごく小さな「粒」でしかありませんが、それでも物理でいう「作用・反作用の法則」が働きますので、加速がごくわずかですが行われます。これを連続して行うことで、非常に効率よく加速するというのがイオンエンジンの原理です。
逆にいいますと、長時間の噴射を行うような宇宙飛行、すなわち月や惑星への飛行で威力を発揮します。できるだけ長い時間、連続して噴射できることが、イオンエンジンとしての能力を左右します。

今回は3台(A・C・D)のイオンエンジンを噴射し、総運転時間2800時間の運転を行います。これによって、「はやぶさ2」は秒速440メートル加速します。時速に直しますと1584キロメートルという値になります。

連続運転の終了は来年(2017年)5月を予定しています。ただ、ずっとエンジンを噴射し続けているわけではなく、途中で精密に軌道を決めるためにエンジン噴射を止めることもあるとのことです。
また、今回の噴射方向は、進行方向に加速するような向き(進行方向と逆方向)になります。

「はやぶさ2」の旅は順調に進行しているようです。

【追記…2016年12月6日】上記記事において、時速に直した値を「0.1メートル」と記述していましたが、これは割り算とかけ算を間違えたもので、正確には時速1584キロメートルでした。現在は上記の値に修正すると共に、関連する記述の修正も行っています。大変失礼いたしました。

はやぶさ2チームの記事
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20161122/
はやぶさ2 (月探査情報ステーション)
http://moonstation.jp/ja/hayabusa/2/

312, 2016

ブラジルも月へ…サンパウロ大学が超小型衛星を2020年に月に向け打ち上げ

とうとう、知られざる宇宙開発国ブラジルまでが、月へと向かおうとしています。
ブラジルのサンパウロ大学が、ブラジルで初となる月周回衛星を開発し、2020年12月に打ち上げる、と発表しました。衛星は超小型衛星(ナノサテライト)で、月の周りを周回し、月周辺の環境を探るとのことです。
チリの新聞、サンティアゴ・タイムズが伝えています。

このプロジェクトは「ガラテアL」(Garatéa-L)と名付けられており、サンパウロ大学を中心として、ブラジルのいくつかの研究機関が共同で開発するとのことです。費用は3500万ブラジルレアル(日本円では約11.4億円)です。超小型衛星の開発としてはかなりの費用になっていますが、打ち上げ(委託)の費用なども含まれているのではないかと思われます。
なお、この「ガラテア」という名前ですが、最初はギリシャ神話から来ているのかと思いましたが、そうではなく、ブラジルの土着言語のトゥピ・グアラニ語では「生命を探す」という意味になるのだそうです。

衛星の目的は、月の周りを周回して月表面についてのデータを収集すること、また、「人間の病原菌(最近?)、分子及び細胞についての科学的な実験」を行うということです(原文では “conduct pioneering experiments with human microbes, molecules and cells.”となっています)。

本計画は、航空技術者であり、航空コンサルタント会社エアバンティス(Airvantis)の創業者でもあるルーカス・フォンセカ氏が、サンパウロ大学サン・カルロス校の工学部のイベントで発表したものです。
さて、このルーカス・フォンセカさん、どこかで名前を伺ったような…と思いましたら、なんと、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)のロゼッタ計画にも加わり、サンパウロ大学でESAと共同研究を行った経験もあるそうです。彼によれば、「近年の超小型衛星(ナノサテライト、あるいはキューブサット)技術の進展によって、ブラジルも新たに惑星間探査に加わることができるようになった」とのことです。

今回の計画に加わるのは、ブラジルの宇宙開発を主導する国家機関であるブラジル国立宇宙研究所(INPE: National Institute of Space Studies, ポルトガル語ではInstituto Nacional de Pesquisas Espaciais)、サンパウロ大学の航空技術研究所、国立シンクロトロン光研究所、及びリオ・グランデ・ド・スル・カソリック大学(Pontifical Catholic University of Rio Grande do Sul)です。これらの機関はすでに共同作業を開始し、資金調達や衛星の組み立てを実施しています。衛星は2019年9月までには完成させたいとのことですが、これは人類の月面到達50周年(アポロ11号の月面着陸から50周年となるのは、日本時間では2019年7月21日です)を祝うためとのことです。
打ち上げは、インドのロケットPSLVを使用します(PSLV−C11)。。打ち上げはイギリスの2つの会社を通して実施し、ESAとイギリス宇宙局との協力により実施されます。同じロケットでは、イギリスのサリー大学(小型衛星の開発では先駆者的な役割を果たしています)の関連企業であるサリー衛星技術(SSTL)と、グーンヒリー通信所が開発する、世界初の(と彼らが謳う)商業レベルの月周回衛星、パスファインダーを打ち上げる予定になっており、これに相乗りするということです。おそらく、記事にある「イギリスの2つの会社」はこのサリーとグーンヒリーではないかと思われます。

ESAは月周辺に超小型衛星を多数配置する(通信目的なのか科学観測なのかはわかりませんが)という構想を持っているようで、今回のブラジルの衛星もその1つになるようです。

衛星の名前「ガラテアL」が「生命を探す」という言葉から来ているのには、この衛星が月周辺における環境での微生物や細胞、生物を構成する分子への影響を調べるということから来ているためだと記事では解説しています。具体的にどういった装置を搭載するのかはわかりませんが、マーズ・サイエンス・ラボラトリーに搭載されたような、人間の組織を模したものを宇宙空間にさらすことで宇宙放射線の影響を探る、といったようなものかも知れません。この研究は国立シンクロトロン光研究所とサンパウロ大学化学研究所の研究者が実施するとのことです。
また、月周辺における宇宙放射線の強度を測る装置も搭載されるとのことで、将来の月面、あるいは月周辺での人間の活動にも役立つデータが提供されるでしょう。

今回のブラジルの衛星は、衛星の開発は自分たちで行い、打ち上げは「相乗り」という形で実施することになりますが、成功すればブラジル発の月探査衛星ということになります。ブラジルも宇宙開発を積極的に進めていますから、いずれは自国のロケットで月へ…ということもありうるでしょう。
記事にもありますが、超小型衛星技術が進展して、超小型の月・惑星探査機の開発があちこちで計画、あるいは実施されています。日本でも、東大とJAXA共同開発の超小型衛星「プロキオン」が2014年12月に「はやぶさ2」と共に打ち上げられ、小惑星を目指しました(惜しくも失敗に終わりましたが)。金星へは大学宇宙コンソーシアム(UNISEC)が開発したUNITEC-1が向かいました。
小型衛星技術が進歩する一方で、開発価格は安くなってきており、発展途上国であっても、あるいは小規模な団体であっても、打ち上げ機会さえみつけられれば月・惑星探査衛星を作ることが出来る時代になってきています。ブラジルの挑戦に大いに期待したいところです。

サンティアゴ・タイムズの記事 

University of Sao Paulo targets the Moon for 2020


サンパウロ大学サン・カルロス校の記事 
http://www.saocarlos.usp.br/index.php?option=com_content&task=view&id=26421&Itemid=1
「パスファインダー」 (グーンヒリー宇宙通信所) 
http://www.goonhilly.org/moon-50/ceres-moon-mission

112, 2016

月探査情報ステーションの運営などを行う合同会社を設立しました

先日お知らせしました通り、月探査情報ステーションの運営を中心として、広く月・惑星探査、さらには宇宙開発についての普及・啓発事業などを実施する合同会社をこのたび設立いたしました。

新会社名は、「合同会社ムーン・アンド・プラネッツ」です。私(寺薗)が代表社員(代表)を務め、社員(副代表に相当)には、「はやぶさ」でのカメラ観測の総責任者を務めた茨城高専の齋藤潤さんが入られました。
(合同会社は、社の運営に責任を持つ人が「社員」として入る形態の法人組織で、社員は株式会社や有限会社における「取締役」に相当する役割を持ちます。)
なお、法人登記は11月15日付となります。本社は福島県会津若松市に設置します。

前回の記事にも書きましたが、18年間の月探査情報ステーションの運営により、サイトの規模も大きくなり、複数社からパートナーとしてのご協力をいただきながら運営をする形になってきました。こうなってきますと、現在、そしてこれまでのような、個人として運営していくという形はほぼ限界に近い状態となっております。
このため、約1年ほど前より法人設立の検討を開始、最終的に合同会社という形態を選択した上で、9月ころより登記作業を進めてまいりました。このたび、すべての登記作業が完了し、法人として業務が可能な状態となりました。

新会社は、基本的に月探査情報ステーションの運営を目指して設立されたものではありますが、それだけにとどまらず、これまで月探査情報ステーション、及び私(と齋藤さん)の研究における経験で培った内容により、以下のような業務についても実施していくことを目指しております。

宇宙開発(とりわけ、月・惑星探査)に関する広報・普及啓発活動
宇宙開発(とりわけ・月・惑星探査)に関するイベントの企画・運営・構想のご提案
宇宙開発における調査・研究の受託・実施
宇宙開発(とりわけ月・惑星探査)で得られたデータの解析受託・実施
宇宙開発(とりわけ月・惑星探査)に関するソフトウェアの開発受託
宇宙開発に関する人材の育成・支援、キャリア・コンサルティング

月探査情報ステーションはウェブサイトではありますが、ここでの経験を元に、例えば実際に「宇宙に関する市民シンポジウム」といったイベントも実施されてきておりますし、書籍の執筆など、ウェブサイトを超えた活動も広がってきています。
また、月探査情報ステーションは月・惑星探査については日本で随一の情報量を誇り、その中には膨大なデータが蓄積されています。メディアや教育関係者からの問い合わせも多く、今後はこれら、蓄積してきた材料や、今後得られる情報をもとにした調査・研究活動なども行っていきたいと考えております。

さらには、私と齋藤さんの共通の基盤である「月・惑星探査データ解析」をもとにして、この分野における研究や解析受託、さらにはこの分野での経験を基盤にした宇宙開発における研究や解析受託も目指す所存です。
また、宇宙開発、さらには月・惑星探査においては、次世代を担う人材の育成は必ず必要となってきます。とりわけ、広報・普及啓発の分野では専門的な人材の育成が遅れていました。また、次々に生まれる新技術に対応していくためには、ある程度キャリアを積んだ方であっても「再教育」を行うことも今後は必要となると考えられます。

このように、「夢」は限りなく広がってはいるのですが、まずは足元の月探査情報ステーションの運営をしっかりとさせること、そしてさらにその前に会社の基盤をしっかりと確立させることが当面の課題になるかと思います。
なにしろ、法人の設立や運営というのは私も生まれてはじめてでして、どうなるかは未知数のものばかりではありますが、月探査情報ステーションのさらなる発展のため、さらにいえば月・惑星探査のさらなる飛躍のため、この会社を新たなプラットホームとして最大限活用し、引き続き邁進してまいる所存であります。

今後とも、合同会社ムーン・アンド・プラネッツ、そして月探査情報ステーションをどうぞよろしくお願いいたします。

(おことわり)

現時点では合同会社のウェブページなどはありません。今後会社の基盤作りの一環として作成していく予定です。でき上がりましたら改めまして本サイトにてご報告いたします。
私(寺薗)の合同会社における肩書は、正式には「代表社員」となります。ただ、このいい方ですと一般的な会社(株式会社や有限会社)における社員と混同されることが多いため(まだ合同会社が一般的ではないため、誤解されるケースが多々あるようです)、肩書として「代表」を使用させていただきます。
なお、合同会社における「社員」とは、会社設立のために出資を行った者という意味です。

合同会社ムーン・アンド・プラネッツ 代表
月探査情報ステーション 編集長
寺薗 淳也

2511, 2016

Q&A「資料室」一部ページを新デザインへ移行、「月協定を批准している国」を最新情報に更新

Q&Aの下にある「資料室」のコーナーに属するページのうち、宇宙条約及び月協定のページを新デザインに移行しました。これで、これらの条約の全文もスマートフォンなどでみやすく(かなり長いのでスクロールは大変だと思いますが)なります。ぜひお試し下さい。
さらに、「月協定を批准している国」については、最新の情報(2016年11月現在)に更新した上で、新デザインへ移行しています。

2511, 2016

「火星探査 〜赤い星への挑戦〜」のURL変更

火星探査に関するコーナー「火星・赤い星へ」のサブコーナーである「火星探査 〜赤い星への挑戦〜」ですが、これまでのURLより少しだけ短いものに変更になりました。

(旧) http://moonstation.jp/challenge/mars/mars-exploration
(新) http://moonstation.jp/challenge/mars/exploration

これに伴い、そのさらに下のコーナーのURLも若干変更になります。例えば、エクソマーズのページは

(旧) http://moonstation.jp/challenge/mars/mars-exploration/exomars
(新) http://moonstation.jp/challenge/mars/exploration/exomars

というように変更になりました。
全体に若干短くなり、覚えやすくなると共に、階層構造としての機能も向上しています。

新しいURLへは自動で転送が行われるため、サイト内の移動には問題が生じないと考えられますが、ページにリンクをかけている場合には、お手数ですがリンクの変更をお願いいたします。

2511, 2016

ニューホライズンズ「探査の概要」を更新

冥王星探査機ニューホライズンズのページの「探査の概要」を、最新の情報に更新すると共に、新しいデザインのページヘ移行しました。これまで冥王星最接近前の状況に基づく記述になっていましたが、内容が現在(2016年11月)時点のものに更新されています。
なお、移行に伴い、URLが変更となりましたのでご了承下さい。

協賛企業

ふくしまからはじめよう
渡辺教具製作所
ウイルネット