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月の高度が低く、地平線に近いときには人間の目は地上の山や建物などと月を無意識に比較して錯覚を起こし、天空高くに月があるときよりも大きく見えるといわれています。
月の沈む動きも、同じように地平線のそばでは動かない地上の対象物と比較できるので、普段月を見上げているときよりもずっと速く動いているように感じられるのです。

また、山吹色に見えたということについてですが、これは夕日が赤く見えるのと同じ現象だと思われます。
光は空気分子にぶつかると四方八方に散乱します。この散乱の度合いは光の波長によって異なり、波長の長い(赤に近い)光はあまり散乱されずに大気を通過しますが、波長の短い(紫や青に近い)光ほど大きく散乱します。
月が空高くにあり、光が通過する大気の層が薄い時には青みがかった銀色に見えますが、低い高度では目に届くまでの大気層の距離が長くなります。このときは散乱される回数も増えるので、青っぽい光は弱まってしまい、月の色が赤や山吹色っぽく見えるのです。

なお、人間は一般に、角度については意外と認識が弱いと言われています。
例えば、スキーのジャンプ台を下から見上げてご覧になった経験はおありでしょうか? 実は、スキーのジャンプ台の傾斜はせいぜい30度くらいしかありません。
月が60度の角度にあり、そこから15分で沈んでしまったとすると、計算上は地球が90分で自転してしまう(月が昇ってから沈むまで、上空を通過するのに45分しかかからない)ことになります。今回の場合もおそらく、地上の風景などと比較して、高い角度にみえてしまったのだと思われます。


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