ルナーAのペネトレーターに搭載される予定であった地震計は、宇宙用に開発された小型軽量で、たいへん感度の高い地震計です。
月は地球と違って、人工的なノイズが全くないですし、地球の地震計に記録されるようなノイズ(例えば、波が浜辺に打ち寄せるときの振動など)もたいへん少ないため、地震計の感度を上げることができます。かつて、アポロが月に地震計を持っていったときにも、当時世界最高の地震計よりも10倍ほど感度が高い地震計を持っていきました。

地震計の感度と一口にいっても、周波数によってその感度が違ってきます。ルナーA計画のために開発された地震計では、月の地震(月震)で最も多いと思われる波の周波数(0.5ヘルツ)付近の感度が特に高くなるように設計されています。いま一般的に用いられている高感度地震計に比べても、これは10〜100倍程度感度が高いものです。

ただ、宇宙用といっても、地球で使っている地震計と基本的な仕組みは同じものです。


■関連Q&A


■関連ページ