ペネトレーターは、槍型をした探査機器です。大きさは高さが約80センチメートル、直径が16センチメートルほどのものです。
このペネトレーターの語源は、英語のpenetrate(突き刺さる、突き進む)から来ています。これは、この槍型の観測機が、月に文字どおり「突き刺さる」ことから名付けられた名前です。

アポロ計画などでは、月に着陸機がゆっくりと降りていきました。このように、天体の表面に降りていくときになるべく衝撃がないように降りることを「軟着陸」といいます。
しかし、このようなやり方ですと、減速するためのロケットも必要ですし、制御するための複雑な仕組みなども必要になります。そのために着陸機が重くなってしまい、観測装置などを運ぶことが難しくなってしまいます。

では、小さなロケットで観測機器を月の表面に持っていくためにはどうしたらよいでしょうか? そのためには、軟着陸ではなく、月の表面に探査機を「落とす」ようにすればよいわけです(硬着陸、ハードランディングともいいます)。
ペネトレーターは月の表面にまさに激突して、地面の中にもぐりこみます。槍型の本体の中には地震計と熱流量計を積み、これによって月の内部に起こる地震(月震)を観測します。その伝わり方を調べて、月の内部がどのようになっているかを知ろうというのが、ルナーA計画の目的なのでした。



ペネトレーター。下に写っているのはA4サイズの紙ですので、
どのくらいのサイズかがおわかり頂けるかと思います。
(写真: JAXA宇宙科学研究所)
写真をクリックするとより大きな絵をご覧頂けます(サイズ: 35KB)


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