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月の表側全域の地図は、1645年、オランダのラングレヌスによってはじめて作られましたが、そこで彼は大きな暗い地域を「海」、明るい地域を「陸」と名付けています。「陸」は現在では「高地」と呼ばれる方が一般的です。
海は月の全表面積の17パーセントを占めており、特に月の表側に多く分布しています。

現在のところ、月の海は次のようにしてできたと考えられています。
月が誕生した初期には表面から深さ数百キロメートルに及ぶ領域は溶けており、巨大なマグマの海ができていたと考えられています。このマグマの海が冷えるにつれて、いろいろな鉱物が結晶していきますが、軽くて白っぽい斜長石の結晶は表面に浮かび、重くて黒っぽい輝石やかんらん石の結晶はマグマの海の底に沈みました。
誕生から5.5億年ほど経った今から40億年ほど前に、直径数十キロメートルの巨大な隕石が月に衝突し、直径数百キロメートルから千数百キロメートルという巨大な盆地ができました。
さらに数千~数億年後には、表面から数百キロメートル部分でカリウム、ウランなどの放射性元素の崩壊熱によって岩石の一部が溶け、玄武岩質マグマができました。これが上昇して衝突盆地を埋め、海となったのです。

月の玄武岩は、主に鉄に富む輝石とチタン鉄鉱という鉱物からできています。これらの褐色~黒色の鉱物に富むために、月の海は黒っぽく見えます。海でもよく見ますと黒っぽさに濃淡があり、場所によって組成に幅があります。


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