月には平らで黒っぽい海と、クレーターが多く白っぽい高地があります。このうち、海は月の全表面積の17パーセントを占めており、特に月の表側に多く分布しています。

現在のところ、月の高地と海は次のようにしてできたと考えられています。
月が誕生した初期には表面の数百キロメートルは溶けてて巨大なマグマの海ができていました。
このマグマの海が冷えるにつれて、いろいろな鉱物が結晶していきますが、軽くて白っぽい斜長石の結晶は表面に浮かび、重くて黒っぽい輝石やかんらん石の結晶はマグマの海の底に沈みました。月の高地はこのようにして出来た斜長石の地殻で、その後隕石の衝突を受け、多数のクレーターができました。

誕生から5.5億年ほど経った今から40億年ほど前に、直径数十キロメートルの巨大な隕石が月に衝突し、直径数百キロメートルから千数百キロメートルという巨大な盆地ができました。
さらにその数千~数億年後には、表面から数百キロメートルの部分でカリウム、ウランなどの放射性元素の崩壊熱によって岩石の一部が溶け、玄武岩質マグマができました。これが上昇して衝突盆地を埋め、海となったのです。