日本が2020年代前半の打ち上げを目指して計画を進めている「火星衛星探査計画」(MMX)について、その打ち上げが当初想定していた2022年から1〜2年遅れる見通しであると、本日(8月4日)付の読売新聞が報じています。

それによりますと、報告はJAXAより政府の宇宙政策委員会の小委員会(どの部門かは報じられていません)に行われ、その理由は計画がもともと遅れていたことに加え、先日発生した天文衛星「ひとみ」の事故により、開発に当たる宇宙科学研究所のメンバーが(記事内では「JAXAの」と書かれていますが、宇宙研と考えるべきでしょう)多忙となり、人手が割かれてしまったためとのことです。なおこの記事内では、その「ひとみ」の大体衛星の打ち上げが了承されたことも伝えられています。

さて、皆様ならご存知かと思いますが、火星への探査機の打ち上げの好機は、約2年に1回訪れます。今年がまさにその好機でして、次のチャンスは2018年、その次は2020年、そしてさらにその次は2022年です。
2024年はもう1つ先ということになり、おそらく現時点ではここでの打ち上げを目指して開発が行われているものと思われます。
なお、現時点でJAXAからの公式発表はありません。そもそもこのMMX計画の公式ページもありません。
探査機の開発を安全再優先で行うためには時間も必要ではありますが、個人的にはなるべく早い打ち上げを願うとともに、JAXAにもこの計画の詳細についてもっと広く知ってもらえるよう、情報の公開をお願いしたいと思います。

(編集長注・おことわり)
この日本の火星衛星探査計画につきましては、今年に入ってから関係者内で「MMX」と呼ばれるようになっていました。この略称は「Mars Moons eXploration」の略ということで、まさに「火星衛星探査」の直訳となっております。
本略号につきましては、今年のJAXA相模原キャンパスの一般公開で使われるなど一般に知られる存在になったと考えられるため、本記事より、MMXをこの計画の略称として使用するとともに、新たに本ブログにおいてもカテゴリー「MMX」を設置いたします。この記事が第1号のこのカテゴリーに属する記事となります(過去の記事についても今後順次カテゴリーを移してまいります)。
なお、JAXAにおける正式な開発略号(「はやぶさ」におけるMUSES-Cなど)が制定され次第、カテゴリーやブログにおける呼称については随時変更する予定です。あらかじめご了承ください。