この先予定されている、世界の火星探査についての記事です。
なお、現在行われている火星探査につきましては、以下をご覧ください。
また、将来火星探査の最新のトピックスにつきましては、将来火星探査トピックスまたはブログをご覧ください。
ネットランダーの想像図 (NASA)
ネットランダーは、フランス宇宙機関(CNES)を中心として、ヨーロッパ、アメリカの宇宙研究機関が計画している、火星探査計画です。この計画では、火星の内部構造を調べることに重点が置かれており、その一方で、火星の全球規模の大気循環を調査することも計画されていました。
この計画では、地震計や磁力計、大気計測などを行うための着陸船を複数台火星に着陸させ、それらを周回機によって「ネットワーク」で結び、火星全体の構造を調べようという計画でした。
2009年に打ち上げられる予定でしたが、予算上の問題で、探査機を運ぶロケットをNASAが打ち上げないことを決定したことから、計画はキャンセルされました。
マーズ・サイエンス・ラボラトリ (Photo by NASA)
2011年に打ち上げられる予定のマーズ・サイエンス・ラボラトリ(MSL)は、2004年に着陸したマーズ・エクスプロレーション・ローバと同様、6輪の車輪を持ち、カメラなどを搭載します。また、火星表面の物質を化学的に探査する装置を搭載し、有機物や生命に関する痕跡がないかどうかを調べます。
当初の打ち上げの予定は2009年でしたが、開発の遅れなどから2年延期されました。また、2009年5月には、愛称として「キュリオシティ」(Curiosity: 好奇心)という名前が選ばれました。
フォボス・ソイル探査機 (Photo by IKI)
フォボス・ソイル(フォボス・グルント)は、ロシアが2009年10月の打ち上げに計画している、フォボスからのサンプルリターン計画です。計画全体は、かつて失敗したフォボス計画、及びマルス96計画を合わせたような計画で、フォボスの表面の砂を地球に持ち帰ることを狙っているほか、現地での観測なども行われる予定です。
また、この探査機と同時に、中国はじめての火星探査機、蛍火1号(Yinghuo-1、インホワ・ワン)が打ち上げられます。蛍火1号は周回機で、火星のまわりを回りながら、火星の気象などの観測を行う予定です。大きさは長さと幅が75センチ、高さが60センチ、重さは115キログラムと小型です。
エクソマーズ探査機 (Photo by ESA)
エクソマーズ(ExoMars)計画は、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)が計画している将来探査計画である、オーロラ計画の一環として実施されます。火星が生命に適した環境かどうかや、人類の将来の火星進出のための基礎データの収集を行います。火星周回機とローバからなり、主にローバが火星表面の探査を実施します。打ち上げは2011年の予定で、2013年の火星到着が計画されています。
主に火星の大気を調査することを目的に、NASAが2008年9月に新たな探査として選定した探査計画です。打ち上げの予定は2013年末で、名前(MAVEN)は英語の「火星大気・揮発性物質探査」(Mars Atmosphere and Volatile Evolution)の略称となっています。
スマートランダと呼ばれる着陸船、長距離を走ることができるローバなどによる探査が、2009年に計画されています。この2009年の探査では、イタリアが開発中の合成開口レーダによる探査も計画されています。
さらにこの先にも、探査が予定されています。2014年及び2016年には、火星からのサンプルリターン探査が計画されています。この計画では、フランス宇宙機関(CNES)の周回機が、マーズ・アセント・ビークル(Mars Ascent Vehicle)と呼ばれるサンプル回収用の探査船からサンプルを受け取り、地球へ持ち帰る計画になっています。
火星探査用の基地と、そこから発進する火星面車(ローバ) (NASA)
火星探査は、やはり最後は人間が直接訪れるのが、究極の目標ともいえるでしょう。実際、1989年にはアメリカのブッシュ大統領(当時)が、有人火星探査の検討を開始することを宣言しています。しかし、全体に検討は遅れ気味といえるでしょう。
それでも、NASAなどでは有人火星探査についての検討が進められています。今のところ、火星への往復に要する期間などで、3種類のミッションが検討されています。短期間型のミッションでも400〜650日、エネルギー節約型の長期間ミッションでは900〜1000日に及ぶという、これまでにない長期の有人宇宙探査計画になりそうです。
問題は、この有人火星探査がいつ実現されるかです。今のところ、NASAの火星探査計画の中にも、明確に有人探査計画があるわけではありません。しかし、全ての状況が整えば、早い時期に実現される可能性はあります。多くの技術者や科学者は、早ければ2020年代には、有人火星探査計画が実現するのではないかと考えています。しかし、そのためには、資金ねん出や長期滞在技術など、克服すべき課題がまだまだ山積みになっています。
(2004年2月14日追記) 今年1月、アメリカのブッシュ大統領が、アメリカの新しい宇宙政策について発表しました。この中では、月への有人飛行を2014年までに行うことが目標として明記されていますが、その目的はさらにその先への飛行ということで、明示はされていないものの有人火星探査計画についての示唆がなされています。
明確な目標を提示しているわけではないため、今すぐに有人火星探査計画が検討課題になるということはないようですが、これから先、NASA内部での検討が盛んになってくるものと思われます。
アメリカの新宇宙政策
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