月にはいろいろな名前がつけられています。その多くはこのサイトでも紹介している「月齢」すなわち、月の満ち欠けに因んだものといえます。
新月から2~3日たった細い月のことを指す「三日月」、それが半月に育った「七日月」(上弦の月)、お盆のような「満月」、それが欠けていく過程の「二十三夜」(下弦の月)など、月齢に応じた呼び名はこのほかにも多数あります。
紙の上に太陽と地球と月を描いてもらえればすぐに理解していただけると思いますが、月の満ち欠けはこの三天体の位置関係により定まるものであり、「月の満ち欠け」と「月の昇る時刻」は密接に関係しています。

午後3時頃出る月ということですが、出るという表現を「出現する」、すなわち「東の空に昇る」と解釈すると、概ねの月齢が推定できます。
午後の3時頃に月の出(東の空から月が昇る)の時刻を迎えるのは月齢12~13頃の月で、「十三夜」などと呼ばれるのが一般的です。
太陽が西に沈み始める頃、太陽と交代するかのように東の空に昇ってくる月、上弦の月が膨らんだやや満月に満たない月がこの「十三夜」に相当し、満月に次いで美しいと表現されることもあります。まさにこれから満ちようとする縁起の良さも「美しい」とされる理由の一つでしょう。

夕方に見える月は「夕月」と呼ばれますが、これは一般的に夕方西の空に見える「三日月」を指すものです。
また、昼間に見えている非常に薄い月を「昼の月」と呼ぶこともあります。
その他、日が暮れてからしばらくすると、ためらい(いざよい)ながら昇ってくる、満月をやや過ぎた月が「いざよい」(十六夜)と呼ばれているあたり、月の呼び名に込められた叙情的要素を深く感じることもできます。


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