月に行ったときに守らなければいけないことは、宇宙条約及び月協定に書かれていることになります。ですから、次のようなことはしてはならないことになります。

  • 月を軍事目的で利用すること。例えば、月に軍事基地を作ったり、ミサイルの発射基地を作ったり、月に(軍用で)地球の監視基地を作ったりすることはできません。
  • 上に近いことですが、月を含む宇宙空間に、核兵器などの「大量破壊兵器」を設置することも、宇宙条約で禁止されています。
  • 月などで軍事演習を行うことも、やはりできません。
  • 月を勝手に自分の国の領地として宣言すること。例えば月の一部分を日本の領土だとして、他の国からの人間をそこに立ち入らせない、といったことは許されません。
  • 月の資源は全人類の共有財産ですから、そこから勝手に資源を取ってきたり、国や個人、会社などが利用してしまうことはできません。
    ただし、どのように利用すればよいかについては、月協定の第11条にあるように、月の資源が利用できるような技術ができたときに、改めて考えることになっています。
  • 月は全人類の共有財産ですから、勝手に月の一部を自分の国の領地にしたり、個人や会社などで占有することもできません。ですから、例えば月を宅地として売り出すことも、できないわけです。

また、明確に禁止されていないのですが、条約から読み取れることとしては、次のようなことがあります。

  • 非政府機関(例えば、個人や会社など)が月などで活動をする場合には、あらかじめ関係当事国の許可をもらうことが必要です。ですから、何人かが集まって勝手に月にロケットを打ち上げる、というわけにはいきません。
  • 月面の基地や月面の探査機などは、条約に加盟しているすべての国が平等に利用できるものです。例えば日本が作った月面基地をアメリカ人に使わせない、ということはできません。

ただ、月協定は締結した国に対して有効ですので、条約に加盟していない国が、例えば月の一部を領地だと宣言してしまったり、資源を(勝手に)取って帰るということがあっても、今の枠組みでは防げないということになります。
なお、月協定は1984年7月11日に発効しています。批准している国はオーストラリア、メキシコなど13ヶ国、署名している国が4カ国です(2010年8月現在)。日本は批准していません。


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■参考資料

  • 宇宙開発データブック(宇宙開発事業団編集、(財)日本宇宙フォーラム発行)