疑惑

アポロ17号で、月面で2人の宇宙飛行士が活動している映像がある。この映像で、片方の宇宙飛行士の肩から物が落下するのだが、そのスピードが速すぎる。月は地球の6分の1の重力しかないはずだから、もっとゆっくり落ちなければおかしい。これは地球上で撮影されたという証拠である。


真実

実際のフィルムをもとに検討してみることにしましょう。
このフィルムで、宇宙飛行士の肩から物が落下する時間を測定してみました。映像を1フレームずつ印刷して、落下する時間を測定してみたところ、25フレームとなりました。テレビは、1秒間に30フレームというスピードで絵が移り変わっていきますので、これから計算すると、落下時間は約0.8秒となりました。
では、0.8秒で、物はどれほど落下するのでしょうか? 月は空気がありませんから、高校の物理で習う公式をそのままあてはめることができます。
計算によると、月の重力の下では、0.8秒の間に物体が落下する距離は、約52cmとなります。もちろん、月には空気がありませんから、落ちていく物体に抵抗が働くこともありません。この数字がそのまま、落下する距離になります。
では、地球の場合はどうでしょうか。同様に計算によると、この数字をそのまま6倍すればよいので、約3.1mとなります。

もう一度映像をみてみますと、落ちていく物体は、宇宙飛行士の肩口から滑り落ちているようにみえます。仮に、肩口までの高さを140cmくらいとしますと、地球の重力で計算した場合、落下する距離は長過ぎることになります。つまり、地球の重力の下で撮影されたとしても、やっぱり不自然なのです。
これは何を意味しているのでしょうか?

さてもう一度映像をみてみましょう。肩口から物体が落下する直前、宇宙飛行士は後ろを振り返っています。振り返った直後、肩口から物体が「勢いよく」落ちています。
そう。物体は落下するとき「初速」がついていたのです。落ちる直前に初速、もうちょっと平たくいえば勢いがついていれば、速く落ちるのも当たり前です。さらにいえば、初速がどのくらいかがわからない以上、その加速が地球上の重力で説明できるのかどうかもわからない、ということになります。ですから、この映像が「地球上で撮影された」とも断定はできなくなります。

実際には、フィルムが本当に1秒30フレームというテレビの標準スピードで撮影されていたかどうかについても、調べなければなりません。そのためには、アポロで使っていたカメラや、ビデオとしてダビングされる過程などについても調査が必要でしょう。

 


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