先日、冥王星最大の衛星カロンの詳細画像が公開されましたが、NASAは17日(アメリカ現地時間)、このカロンのより詳細な画像(一部領域だけですが)を公開しました。
画像の撮影はアメリカ東部時間で14日の午前6時30分(日本時間で14日午後7時30分)頃に行われました。冥王星への最接近の約1時間半前です。距離は約79000キロとのことです。

冥王星の衛星カロンの詳細写真

冥王星の衛星カロンの詳細写真。図に示した一部の領域の詳細画像が右側に示されている。(© NASA/JHUAPL/SwRI)

上の写真で詳細な画像として撮影された領域は、長さ(上から下まで)が約390キロあり、いくつものクレーターがはっきりとみえています。また、そのクレーターの周囲の平原は非常に滑らかなのも印象的です。
さらに左上には、中央に山を持つくぼんだ地形もみえています。これが、中央丘を持つクレーターが変形したものなのか、何らかの地質学的な現象により発生した地形なのかはまだわかりません。このブログでも写真へのコメントをする方としてかなりおなじみになってきている(と思われる)、ニューホライズンズの地質学・地球物理学・撮像チームのメンバーでNASAエイムズ研究センターの科学者、ジェフ・ムーア氏も、この地形には「地質学者も呆然として降参」と述べています。私も可能性は指摘できるものの、いまこの成因を述べろと言われたら、やはり両手を挙げて降参することになるでしょう。

今回公開されたデータは、地球に早く送るために高い圧縮率で圧縮されており、そのため詳細な地形の特徴などが見えにくくなってしまっています。圧縮率を下げて(ただ、データ量は増えますが)より詳細な地形がみられるようなデータが待ち遠しいところです。
なお、撮影はニューホライズンズの広範囲カメラ(LORRI)により行われています。

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