中国国家航天局は19日、先日火星表面に着陸した中国の火星探査機「天問1号」の着陸機に搭載されたローバー「祝融」(しゅくゆう)が撮影したはじめての写真を公開しました。
なお、この「祝融」とは、中国の神話における火の神の名前です。
上記、白黒の写真は、ローバーに搭載された障害物検知カメラで撮影されたものです。ちょうど、火星表面に降りるためのスロープがみえていて、もうすぐ発進できそうな雰囲気を伺わせます。
また、火星の遠景もよく見えており、非常に平らな場所に着陸したことがわかります。着陸場所は「ユートピア平原」という名前ですが、その名の通りまさに平原です。岩などが少ないことから、着陸にも適していた場所であったことが伺えます。
もう1枚公開された写真はカラーで、ローバー後方に設置されたナビゲーションカメラで撮影されたものとのことです。着陸機の様子がはっきりとわかります。また、地表の色も明らかであるほか、先の白黒の写真と同様、地面の岩石の様子(大きな岩石が少ない)もよくわかります。
また、中国国家航天局は、この2枚の写真と同時に、火星周回軌道上で天問1号の周回機と着陸機の分離の様子を捉えた映像も公開しました。
今後中国国家航天局はローバーや着陸機の初期状態のチェックを行った上で、ローバーを火星表面に下ろし、ローバーによる探査を実施するものと思われます。その時期についてはアナウンスされていません。
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