8月6日午前1時31分(アメリカ東部時間。日本時間では同日午後2時31分)に着陸が予定されているNASAの火星探査機、マーズ・サイエンス・ラボラトリー(MSL)。この着陸の模様をニューヨークのタイムズスクエアで中継することになりました。タイムズスクエアといえば、元旦のカウントダウンなどでも有名なところですが、あのカウントダウンの際に時間が大写しになる大きなテレビ画面、通称「東芝ビジョン」で、この火星探査機の着陸の模様が生中継されます。
タイムズスクエアでの放送が始まるのは現地時間で5日午後11時30分(日本時間で6日午後0時30分)からで、そのまま午前4時(日本時間午後5時)までのプログラムとなっています。放送は、この探査機の運用・管制を行っている、NASAのジェット推進研究所(JPL)から行われます。
現在、順調に火星への飛行を続けているMSLですが、着陸は決して簡単なことではありません。最後に待ち構える「恐怖の7分間」を乗り越えなければならないからです。この7分間の間に、探査機は火星大気によって減速され、当初の秒速5.9キロメートルから着陸時の秒速0.75メートル(時速約2.7キロメートル)までスピードを落とさなければなりません。もちろん、着陸のためには、何百にもわたるイベント(探査機の必要な動作)がタイミング通りに行われなければならず、機器の切り離しも予定通りに行わなければなりません。すべては探査機が自律的に行います。
タイムズスクエアという最高のロケーションの2面のスクリーンで、この緊張感あふれる管制の模様を生でみることができます。そして、着陸がうまくいけば(いくことを願っていますが)、探査機からの最初の信号の受信も確認できるでしょう。
なお、この音声ですが、アメリカの宇宙系インターネットラジオ局、サード・ロック・ラジオが中継します。NASAに関連したライブ放送をサード・ロック・ラジオが行うのはこれがはじめてとなります。
NASAの科学ミッション部門の副部長であるジョン・グランズフェルド氏は、「眠らない街ニューヨーク、そして由緒あるタイムズスクエアで、歴史的な着陸をニューヨーク市民の皆さんと共有できることになった。歴史的なイベントでは常にタイムズスクエアは記憶に刻まれる場所となっている。今回の火星への着陸にとってこれほどふさわしい場所はないだろう。」と述べています。また、この中継を行う「東芝ビジョン」を管轄する東芝アメリカの広報担当上級部長であるエディー・テミストークル氏は、「東芝ビジョンで、この科学の偉大なる成果をじかにお見せできることを大変嬉しく思う。」と述べています。
(編集長注: 日本では、NASA TVなどでの中継をご覧になるのが最もよいと思います。下に、NASA TVへのリンクをつけておきますので、当日は早めにサイトへ訪れるのがよいと思います。)
・NASAのプレスリリース (英語)
http://www.nasa.gov/home/hqnews/2012/jul/HQ12-257_MSL_Times_Square.html
・サード・ロック・ラジオ (英語)
http://www.rfcmedia.com/thirdrockradio/
・NASA TV
http://www.nasa.gov/ntv
・マーズ・サイエンス・ラボラトリー (月探査情報ステーション)
https://moonstation.jp/ja/mars/exploration/MSL/