インド初の火星探査機であるマンガルヤーンは、予定通り、9月24日に火星周回軌道に投入される見通しとなりました。インド宇宙機関(ISRO)の科学担当書記官、コテスワラ・ラオ氏が、15日に記者会見を行い、見通しを公表しました。

マンガルヤーンは、昨年11月5日に打ち上げられ、火星に向けて順調に飛行しています。これまで4回の軌道修正を行い、その最後の軌道修正を9月14日に行いました。
そして、火星周回軌道への投入は、インド標準時で9月24日午前7時30分(日本時間では同日午前11時)になるとのことです。
探査機は現時点で地球からの距離が2億1500万km、旅程の98パーセントを消化しており、火星まではあと249万6000キロのところまで近づいています。

当日は、ちょうど見えなくなるタイミングでの逆噴射での原則となるため、非常に緊張が強いられる運用になる可能性が高くなっています。
探査機のエンジンを逆噴射し、火星の周回軌道へと投入する作業は、午前7時30分ちょうどにスタートしますが、この時点では探査機と地球との通信は確立されていません。エンジン逆噴射は11分半ほど行われ、その6分後の午前7時47分(現地時間。日本時間では午前11時17分)に探査機と地上との交信が回復し、周回軌道投入の成否が明らかになります。

最終的に探査機は、近火点(火星にいちばん近い点)423キロ、遠火点(火星からいちばん遠い点)8万キロとなる長楕円軌道に投入され、これを3.2日間で1周する形になります。
なお、今回はインド・バンガロールにある通信局以外にも、NASAの深宇宙通信網(DSN)の協力を得て、探査機の状態を監視します。

火星周回軌道への投入が成功すれば、世界ではアメリカ、旧ソ連、ヨーロッパについで4カ国目、アジアでははじめての火星周回軌道投入成功となります。一方では噴射状態が地球からはみえないという厳しい条件の中での(失敗した2010年12月の日本の金星探査機「あかつき」の金星周回軌道投入がまさにこの状態でした)チャレンジとなるだけに、この成否が注目されます。