インドはこのほど、火星探査計画を正式に政府として承認しました。インドの新聞The Hinduが報じています。
これは、8月15日のインド独立記念日における恒例の首相演説の中で触れられたもので、この中では、「最近になり、内閣では火星周回探査計画を承認しました。本計画では、1機の探査船が火星の周りを回り、科学データを送信することになります。」と、火星探査計画について触れられています。
本計画が実現しますと、インドは、アメリカ、ロシア、ヨーロッパ、日本、そして中国についで、6番目に火星探査機を打ち上げた国となります。周回軌道投入に成功すれば、アメリカ、ロシア、ヨーロッパについで4番目の火星探査成功国ともなります。
さらに重要なことに、もし成功すれば、「火星探査に成功した初のアジアの国」という称号も得ることになります。
現在、インド宇宙機関(ISRO)で火星探査計画が練られており、総予算は45億ルピー(日本円で約64億円)と見込まれています。打ち上げは2013年11月が予定されており、打ち上げにはインド国産のPSLVロケットが使用される予定です。搭載される科学機器の重量は25キログラムとのことです。
火星への到達には約300日かかるとのことで、そうしますと火星到着は2014年8〜9月頃と考えられます。
探査機の軌道は、近火点(火星に最も近い=軌道の高さが低い点)500キロ、遠火点(火星から最も遠い=軌道の高さが高い)80000キロというかなり扁平な楕円軌道を周回し、火星の地質、気象などの調査を行うほか、火星が生命を育むに足る天体かどうかを調べることになります。
関係者によると、すでに太陽電池パネルなどの構造は決定しているとのことです。
インド内閣は、2012年8月4日に火星探査計画を承認していましたが、今日まで特に公式の文書は出てきていませんでした。