今年3月に打ち上げられ、10月初めに火星へ到着するヨーロッパの火星探査機「エクソマーズ」の管制チームの訓練の様子が、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)のサイトで公開されています。
ヨーロッパの宇宙衛星の管制を行う、ドイツ・ダルムシュタットにあるヨーロッパ衛星管制センター(ESOC)では、エクソマーズのチームが、来る火星到着に向けた訓練を実施しています。
チームは、フライト・オペレーション・ディレクター(飛行管制主任)のマイケル・デニス氏の元、実際の想定に基づく内容での手順を確認し、また問題が発生した場合も想定した訓練も実施しています。
この管制チームは、いってみれば「チーム内のチーム」のようなもので、エクソマーズという1つの衛星のためのチームの中の1つのチームといえます。管制作業は他のエクソマーズのチーム、例えば飛行力学や地上通信関連、ソフトウェア、ネットワーク、シミュレーション関係とも連携して動きます。もちろん、いちばん重要といえる、エクソマーズ開発チーム(オランダ・ノルドビークにある、ヨーロッパ宇宙技術研究センター=ESTECに常駐しています)とは密なやり取りを行います。
チームメンバーには、衛星を製造したタレス・アレーニア・スペース(フランス)社や、着陸実証機「スキアパレッリ」を製造したタレス・アレーニア・スペース(イタリア)社からも参加しています。
現時点(記事が公開された8月31日現在)で、エクソマーズは行程の80パーセントを順調に飛行し、地球からの距離は1億2156万6000キロ、順調にいけば10月16日(ヨーロッパ現地時間)に着陸実証機「スキアパレッリ」を切り離し、その3日後、周回機が火星周回軌道に投入される予定です。
- ESAの記事