昨年10月末に打ち上げられ、帰還モジュールが無事地球に帰還した嫦娥5号の再突入試験機ですが、ブログでお伝えしている通り、この「本体」の部分にあたるサービスモジュールは未だ宇宙空間にあります。このサービスモジュールは、現在、地球と月との重力が均衡する「ラグランジュ点」という場所にあります。
先日このブログの記事で、サービスモジュールが月-地球系のラグランジュ点(L2)に到達したとお伝えしましたが、国家国防科技工業局は5日、サービスモジュールがL2を離れたと発表しました。人民網日本語版が伝えています。
なお、ラグランジュ点は、一般的に2つの天体の重力が均衡する場所のことを指し、その2つの天体によって場所は変わります。例えば地球と太陽の重力が均衡するラグランジュ点と、地球と月の重力が均衡するラグランジュ点は異なる場所にあります。また、重力が均衡する場所は1ヶ所ではなく何ヶ所もあり、それぞれの点をラグランジュ点と呼びます。その場所の位置によって、L2やL5といった呼び方がなされます。

サービスモジュールがL2を離れたのは1月4日午後11時とのことです。このあとサービスモジュールは月周回軌道に1月下旬には戻り、月の観測を行うことになる予定です。おそらくは、嫦娥5号の着陸点の探査などを実施すると思われます。
なお、サービスモジュールの状態は良好とのことです。