6月27日午前、「はやぶさ2」プロジェクトチームは、「はやぶさ2」が同日午前9時35分に小惑星リュウグウに到着したと発表しました。なお、この「到着」とは、ホームポジションと呼ばれる、リュウグウから約20キロメートルほど離れた場所に到着したことを意味します。着陸やタッチダウンを行ったわけではありません。

「はやぶさ2」到着記念写真

「はやぶさ2」到着を記念して管制室で撮影されたスタッフの写真。
(© JAXA)

JAXAでは、

  • 「はやぶさ2」の科学推進系スラスターの噴射が予定通り実施されたこと
  • 探査機と小惑星との距離が約20キロであること
  • 探査機が小惑星との距離を維持できていること
  • 探査機の状態が正常であること

以上を確認できたことから、到着と判断しました。

2018年6月26日に撮影されたリュウグウ

2018年6月26日に撮影されたリュウグウ(撮影時刻は日本時間で午後0時50分ころ)。
写真: ONC-Tチーム(JAXA、東京大学、高知大学、立教大学、名古屋大学、千葉工業大学、明治大学、会津大学、国立研究開発法人産業技術総合研究所)

 

リュウグウ到着を祝う吉川真准教授と久保田孝教授

リュウグウ到着を祝う紙を掲げる、吉川真・宇宙科学研究所准教授(「はやぶさ2」ミッションマネージャ)(左)と久保田孝・宇宙科学研究所教授(宇宙科学研究所 研究総主幹)。
(© Ayano Akiyama/The Moon Station)

 

リュウグウ到着を「そろばん」を手に説明する吉川准教授

「そろばん」を手に、リュウグウ到着を説明する吉川准教授(「はやぶさ2」ミッションマネージャ)。そろばんは、たまがリュウグウの形に似ていることを示している(ブログ記事参照)
(© Ayano Akiyama/The Moon Station)

これから約1年半をかけて、リュウグウのサンプル採取、及び科学探査を実施します。まずはリュウグウについてカメラなどで詳細な観測を行ったあと、9〜10月頃に第1回のサンプル採取にチャレンジ、それを含めて来年末までに3回のサンプル採取を実施する予定です。また、2回にわたって小惑星にローバーを着陸させる予定です。
なお、サンプル採取のうち1回は、衝突装置を用いて人工的に小惑星にクレーターを生成し、それによって露出された地下の物質を採取するという、史上初の実験となります。

このあと午後4時より記者会見が行われ、津田雄一プロジェクトマネージャーなどが今後の探査などについて詳細を語る予定です。
いよいよ、新たなる小惑星探査の幕が上がります。