本日(11月2日)は、月探査情報ステーション、満19周年の日です。
1998年11月2日、当時「セレーネ」(SELENE)と呼ばれていた月探査衛星「かぐや」のプロモーションサイト「インターネットシンポジウム ふたたび月へ」として、この月探査情報ステーションの原型が誕生しました。現名称に変更されたのは2000年11月です。
その間、単なる月探査計画の宣伝だけではなく、月についての科学についての解説や、親しみを持てるようなコンテンツなどを次々に拡充していきました。さらに、2003年からは火星探査、それ以降には惑星探査の解説も加え、いまではこの月・惑星探査分野における日本最大級の情報サイトとしての地位を確立しています。

19年という年月は、そのとき誕生した赤ちゃんが大学に入る、そのくらいの長い年月です。
計画段階であった「かぐや」はその後2007年(10年前)に打ち上げられ、ミッションが終了してもそのデータは科学的な解析に大きく活用されています。そのデータに大きな科学的な意味がまだ隠されていることは、つい最近発表された月の空洞の発見からもお判りかと思います。

この間、運営は宇宙開発事業団・宇宙科学研究所などの4団体合同から個人、さらには昨年からは合同会社へと変わっていきましたが、月探査情報ステーションが掲げるコンセプト、すなわち「最新の月・惑星探査の情報を」「一般の人にもわかりやすく」「科学者の視点から正しく」届けるという考え方は揺るぎなく掲げております。
このような考え方を貫く過程で、書籍『惑星探査入門』や各種メディアへの投稿記事など、いわば本サイトの「スピンオフ」とも呼べるような活動も広まり、ネットだけでなく、テレビや書籍、新聞などを通してより多くの方に月・惑星探査の情報を届けることができるようになりました。

2016年3月にはサイトの大幅リニューアルを実施しました。1年半以上経過した現在においても、コンテンツの移設作業は進行中です。
さらにサーバーを超高速プラットホーム「KUSANAGI」へ換装し、運営を個人から合同会社に移行するなど、新たなステップアップに向けたプロセスを着実に展開できるようになってきています。
リニューアル以降、スマートフォンなどモバイル機器からのアクセスが増加するなど、その効果が着実に現れ始めています。
また、これだけのリニューアルを行えたのは、その元となる資金を確保できたからで、それは本サイトを支えてくださっているパートナー企業の皆様のお力でもあります。この場を借りて、あつくお礼を申し上げます。

そして、来年…2018年、月探査情報ステーションは20周年という節目の年を迎えます。
人間でいえば成人ですが、移り変わりの速いインターネットという世界において、20年間、変わらぬ価値を提供できていることは編集長としても誇りに思っております。
これから先、20年という節目に向けて、月探査情報ステーションが蓄積してきた膨大なコンテンツを活かし、月・惑星探査の過去・現在・未来を振り返り、認識し、展望するような企画ができれば、と考えております。
来年は火星大接近もあり、また「はやぶさ2」と「オサイレス・レックス」(オシリス・レックス)の小惑星到着、月探査の活発化など、この分野での大きな動きが予想されます。
今後共月探査情報ステーションは、変わるべき部分は時代やユーザーの要請に応じて変化しつつ、変わらぬ価値を提供していきながら、皆様に役立つサイトとして末永く続けていくことを目指してまいります。

今後とも、月探査情報ステーションを末永くご愛顧いただきますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

月探査情報ステーション 編集長
合同会社ムーン・アンド・プラネッツ 代表社員(社長)
寺薗 淳也