先日お知らせしました通り、月探査情報ステーションの運営を中心として、広く月・惑星探査、さらには宇宙開発についての普及・啓発事業などを実施する合同会社をこのたび設立いたしました。

新会社名は、「合同会社ムーン・アンド・プラネッツ」です。私(寺薗)が代表社員(代表)を務め、社員(副代表に相当)には、「はやぶさ」でのカメラ観測の総責任者を務めた茨城高専の齋藤潤さんが入られました。
(合同会社は、社の運営に責任を持つ人が「社員」として入る形態の法人組織で、社員は株式会社や有限会社における「取締役」に相当する役割を持ちます。)
なお、法人登記は11月15日付となります。本社は福島県会津若松市に設置します。

前回の記事にも書きましたが、18年間の月探査情報ステーションの運営により、サイトの規模も大きくなり、複数社からパートナーとしてのご協力をいただきながら運営をする形になってきました。こうなってきますと、現在、そしてこれまでのような、個人として運営していくという形はほぼ限界に近い状態となっております。
このため、約1年ほど前より法人設立の検討を開始、最終的に合同会社という形態を選択した上で、9月ころより登記作業を進めてまいりました。このたび、すべての登記作業が完了し、法人として業務が可能な状態となりました。

新会社は、基本的に月探査情報ステーションの運営を目指して設立されたものではありますが、それだけにとどまらず、これまで月探査情報ステーション、及び私(と齋藤さん)の研究における経験で培った内容により、以下のような業務についても実施していくことを目指しております。

  • 宇宙開発(とりわけ、月・惑星探査)に関する広報・普及啓発活動
  • 宇宙開発(とりわけ・月・惑星探査)に関するイベントの企画・運営・構想のご提案
  • 宇宙開発における調査・研究の受託・実施
  • 宇宙開発(とりわけ月・惑星探査)で得られたデータの解析受託・実施
  • 宇宙開発(とりわけ月・惑星探査)に関するソフトウェアの開発受託
  • 宇宙開発に関する人材の育成・支援、キャリア・コンサルティング

月探査情報ステーションはウェブサイトではありますが、ここでの経験を元に、例えば実際に「宇宙に関する市民シンポジウム」といったイベントも実施されてきておりますし、書籍の執筆など、ウェブサイトを超えた活動も広がってきています。
また、月探査情報ステーションは月・惑星探査については日本で随一の情報量を誇り、その中には膨大なデータが蓄積されています。メディアや教育関係者からの問い合わせも多く、今後はこれら、蓄積してきた材料や、今後得られる情報をもとにした調査・研究活動なども行っていきたいと考えております。

さらには、私と齋藤さんの共通の基盤である「月・惑星探査データ解析」をもとにして、この分野における研究や解析受託、さらにはこの分野での経験を基盤にした宇宙開発における研究や解析受託も目指す所存です。
また、宇宙開発、さらには月・惑星探査においては、次世代を担う人材の育成は必ず必要となってきます。とりわけ、広報・普及啓発の分野では専門的な人材の育成が遅れていました。また、次々に生まれる新技術に対応していくためには、ある程度キャリアを積んだ方であっても「再教育」を行うことも今後は必要となると考えられます。

このように、「夢」は限りなく広がってはいるのですが、まずは足元の月探査情報ステーションの運営をしっかりとさせること、そしてさらにその前に会社の基盤をしっかりと確立させることが当面の課題になるかと思います。
なにしろ、法人の設立や運営というのは私も生まれてはじめてでして、どうなるかは未知数のものばかりではありますが、月探査情報ステーションのさらなる発展のため、さらにいえば月・惑星探査のさらなる飛躍のため、この会社を新たなプラットホームとして最大限活用し、引き続き邁進してまいる所存であります。

今後とも、合同会社ムーン・アンド・プラネッツ、そして月探査情報ステーションをどうぞよろしくお願いいたします。

(おことわり)

  • 現時点では合同会社のウェブページなどはありません。今後会社の基盤作りの一環として作成していく予定です。でき上がりましたら改めまして本サイトにてご報告いたします。
  • 私(寺薗)の合同会社における肩書は、正式には「代表社員」となります。ただ、このいい方ですと一般的な会社(株式会社や有限会社)における社員と混同されることが多いため(まだ合同会社が一般的ではないため、誤解されるケースが多々あるようです)、肩書として「代表」を使用させていただきます。
    なお、合同会社における「社員」とは、会社設立のために出資を行った者という意味です。

合同会社ムーン・アンド・プラネッツ 代表
月探査情報ステーション 編集長

寺薗 淳也