火星探査機「マーズ・サイエンス・ラボラトリー」(MSL: 愛称「キュリオシティ」)がいよいよ活動を開始しました。まずは、着陸地点の周囲を360度、ぐるりとパノラマ撮影した画像です。

「キュリオシティ」撮影の火星のパノラマ写真

「キュリオシティ」撮影の火星のパノラマ写真

写真は、アメリカ東部太平洋夏時間で8日に撮影されました。キュリオシティに搭載されているナビゲーション用カメラ(編集長注: マストカメラの広角側のことか?)で撮影されたもので、この写真では79枚の画像をモザイクでつなぎあわせています。
実際の画像は、横幅10000ピクセルもある巨大なものです(クリックすると表示することはできますが、画像の大きさは11MBを超えるという巨大なものですので十分にご注意ください)。
MSLの計画科学者であるジョン・グロジンガー博士は、この写真をみて「今回のロケット逆噴射を利用した効果は、テクノロジーとしても効果的だっただけでなく、おまけまでついてきた。逆噴射ロケットによって、表面に50センチメートルほどの窪みができた。その底の方には火星の地下の岩石があるかもしれない。ここから火星に関して有用なデータが得られるかもしれない。」と、思わぬ「ボーナスポイント」に喜んでいる様子です。
一方、火星上空を周回しているマーズ・リコネサンス・オービター(MRO)からも画像が送られてきました。こちらは、広範囲カメラ(CTX)によって撮影された、MSLのおもしです。MSLはバランスを保つために内部におもしを搭載しており、それを効果の過程で徐々に切り離しながら着陸していったわけですが、今回、MROが撮影した画像からその切り離されたおもしが見つかりました。
さて、MSL運用チームは8日(アメリカ太平洋夏時間)にはカメラを搭載したマストを展開、マストに搭載した放射線検知装置による火星表面の放射線強度の計測を開始しました。また、高利得アンテナ(ハイゲインアンテナ)のテスト運用も開始しています。