月は明るく光っていますが、自分で光を出して輝いているわけではありません。太陽は自分で光を出して輝いていますが、月はその、太陽の光を反射して輝いているのです。
…これだと回答としては短すぎるので、もう少しご説明しましょう。月は地球と同じように、光を出して輝いていません。もし太陽のように、みずから光を出すほどのエネルギーを出しているとすれば、宇宙飛行士が降りて立てるほど「冷たく」はないはずです。
ところが、月は夜空に輝いていますが、その光の源である太陽の姿はありません。これは、満月のときの太陽と月と地球の位置関係を考えれば、説明できます。
満月のときの太陽、地球と月の位置関係
満月のときには、太陽、地球、月という順番で天体がならびます。つまり、太陽からの光は地球を過ぎて月で反射され、それが我々の夜の側で、満月としてみえるということになります。
さて、この図をみて「おや?」と思われるかもしれません。なぜ光が、地球を突き抜けて(あるいは、地球の影に入らずに)月までとどくのでしょうか?
月の軌道は微妙に傾いています。従って3次元で眺めると、地球の影にならずに、太陽と地球が位置している平面(黄道面といいます)から離れたところにいます。そのため、太陽の光が月まで届いて、それを我々が(夜の側で)みることができるというわけです。
ただ、もしたまたま月が満月のときに黄道面の近くにいたらどんなことになるでしょうか? そうです。地球の影に隠れてしまって月がみえなくなるわけです。この現象を「月食」と呼びます。