NASAの記事をそのまま翻訳するとまさにこんな形になるでしょう(Houston, We Have Geology!…もちろんこれは、アポロ13号の有名なセリフ(タンクが爆発し、問題が発生した際の第一報)、Houston, we have a problem.のパロディーにもなっています)。

地質学的な分類を施した冥王星の画像

地質学的な分類を施した冥王星の画像 ((c) NASA/JHUAPL/SwRI)

冥王星地質領域の日本語翻訳

上記の図の日本語翻訳 ((c) NASA/JHUAPL/SwRI)

冥王星の図(説明なし)

上記の図(説明を除いて冥王星だけにした写真) ((c) NASA/JHUAPL/SwRI)

最初はただの光の点でした。そのあとはだんだんぼんやりとした球。そしていまはこのような「形のある球体」。冥王星への最接近を3~4日後に控えて、NASAはこのほど、現在捉えられている冥王星の領域の「地質分類」を発表しました。といっても、上のような極めておおざっぱなものでして、地球や月、火星のような詳細な分類にはまだまだ至っておりません。

上記の写真は、ニューホライズンズに搭載されている広範囲カメラ(LORRI)により、7月10日(アメリカ現地時間)朝に得られたものです。
すでに冥王星の画像をご覧になっている方は、冥王星が「暗い領域」と「明るい領域」に分かれていることをご存じかと思います。今回の写真では、そこがよりはっきりとわかるようになりました。
赤道付近に横たわっている大きな黒い領域、通称「くじら領域」の左端(西端)、くじらの尾にあたるところには、複雑な地形が存在しています。一方そのすぐ北側から赤道に沿うように、まるでバーコードのような細かいパターンが広がる帯状の領域が、冥王星の端から端までにわたっています。
先ほどの「くじらの尾」の上の方には、多角形状の地形が存在します。
まだこの写真ではここまでではありますが、着実に「地質学ができる」段階に近づいていることがわかります。

ニューホライズンズ計画に参画している科学者である、NASA本部のカート・ニーバー氏は、「ようやく我々は冥王星の地質学を語るに十分な領域に入ってきた」と述べています。彼が興味を持っているのは「くじらの尾」の領域のようです。
「地形が何らかの形でダイナミックに移り変わっている領域のようだ。ものすごく科学的な興味がある。」(ニーバー氏)

今回の写真の撮影は7月9日で、冥王星から540万キロ(まだこれだけ離れているのです)離れたところから撮影されました。1ピクセルあたりの距離は約27キロメートルで、このくらいであれば、冥王星表面の地質(氷が多いので「氷質」かも知れませんが)を語るのに十分です。
いまみえている表面は、冥王星最大の衛星であるカロンに常に向いている側で、以前から話題になっている暗い領域「くじら領域」がみえています。

「9年半の飛行でようやくこの写真にたどり着いたが、冥王星はそれだけ待つ価値のある天体だった。」(ニューホライズンズの主任科学者であるアラン・スターン氏)

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