月の軌道が変わるような大きな衝突が起きるためには、相当大きな天体がぶつからなければいけません。少なくとも、ちょっとした大きさの隕石や小惑星がぶつかったくらいでは、月の軌道は変わりませんので、どうぞご安心(?)下さい。
非常に大きな天体が月に衝突する可能性としては、
- 他の惑星などが軌道を外れ、月に衝突する。
- 非常に大きな小惑星が月にぶつかる。
- 太陽系外などから飛んできた非常に大きな天体が、月にぶつかる。
という可能性が考えられます。
まず、惑星が軌道を外れるという可能性ですが、惑星の公転は非常に安定した運動ですので、何らかの理由で軌道を外れる、というようなことはまず起こらないと考えてよいでしょう。
小さな小惑星が軌道を外れて、地球や月にぶつかる、という可能性は、小さいながらもあります。しかし、小さな小惑星では月や地球の軌道を変えることはできません。また、大きな小惑星は、小惑星帯と呼ばれているところで、安定して太陽の周りを回っていますので、これらがやはり軌道を外れて月に向かってくる、ということはまず起こりません。
そうすると、太陽系外から非常に大きな天体が飛んでくる、という可能性だけが残ります。しかし、過去に他の惑星や衛星などに残されている衝突の痕跡などから推定すると、そのような天体が飛び込んでくる確率は極めて低いもので、まずあり得ないといってもよいものだと考えられます。
仮に太陽系外からそういう大きな天体が飛び込んできたとしても、地球の軌道に達するまでに、木星や土星といった、はるかに大きな惑星の引力の影響を受けて、それらの衛星になったり、弾き飛ばされたり、軌道を変えられたりしてしまいます。従って、地球あたりまで達して、さらに月にぶつかるとなると、ものすごく確率が低い話になります。
また、そのような大きな天体が衝突すると、月自体も無傷ではいられないでしょう。破片のような形になってしまえば、その破片が地球に向かうだけでなくて、宇宙空間にばらまかれることも考えられます。
結論としては、
- 月に隕石がぶつかって軌道が変わるということはない。
- 月に大きな天体がぶつかって、軌道が変わるということは、確率は極めて低いことである。
ということになります。