人間が目で感じる光は、様々な波長の光が合わさったものです。しかしバランスが違うためにいろいろな色に見えます。
例えば、きれいな水は青い光(0.4マイクロメートル[注])、植物の葉は緑色の光(0.55マイクロメートル[注])を多く反射するために、それぞれ青・緑色に見えます。

ところが月の表面には水や植物はなく、火山活動で噴出した岩や、地殻と呼ばれる斜長岩の大陸だけが見られます。これらは富士山やハワイの火山に見られるような、黒から灰色をしています。なぜ灰色に見えるかというと、その反射光は水や植物のように特定の波長で多く反射するということがないためです。
つまり人の目が感じる月の反射光は、いろいろな波長の光がバランス良く含まれており、「特徴のないことが特徴」といえます。

月の反射光は波長が分かっているため、同じような波長の光を混ぜることによって、人工的に作り出すことは可能と考えられます。

[注]1マイクロメートル=100万分の1メートル=1000分の1ミリメートル