全く新たな発見というものは、ありません。というのは、大気現象のある火星と異なり、月の表面はアポロの時代から大きくは変化していないからです。
月の撮像の主目的は、カメラの能力の確認にあります。特に、衛星の回転を利用して広範囲を撮像する方法がうまくいくか、CCD(カメラに搭載されている撮像素子。光を受けてそれを画像データへと変換する役割を果たす)が宇宙において劣化していないか、明るい地域、暗い地域が撮像可能かといった点が重要です。

ただ、のぞみの月の画像の1つ、月の裏側全面を一度に視野におさめた写真というのは、これまでに、あまり撮像されていませんでした。
ジョルダーノ・ブルーノという新しいクレーターがあるのですが、その放出物が非常に明るく、遠方まで散らばっているのがカメラでもよく確認できました。


1998年12月18日16時35分(日本時間。第2回の月スイングバイ時)に、
「のぞみ」により撮影された月の裏側の写真。距離は月面から2800キロ。空間分解能は1.3キロ。
赤い矢印が、ジョルダーノ・ブルーノ・クレーター。
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1998年12月17日11時2分(日本時間。第2回の月スイングバイ時)に、
「のぞみ」により撮影された月の裏側の写真。距離は月から20万キロ。
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1998年12月18日10時3分(日本時間。第2回の月スイングバイの約6時間前)に、
「のぞみ」により撮影された月の裏側の写真。距離は月から44580万キロ。
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1998年12月18日16時20分(日本時間。第2回の月スイングバイ中)に、
「のぞみ」により撮影された月の裏側の写真。距離は月面から4483キロ。
画面中に暗く写っているのはモスクワの海。
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「のぞみ」により撮影された月の裏側の写真のモザイク画像。
1998年12月18日16時39分(日本時間)に撮影された2枚、
16時40分(同)撮影の9枚の画像、合計11枚の画像をつなぎ合わせたもの。
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「のぞみ」により撮影された月の裏側のツィオルコフスキークレーターの画像。
12月18日16時40分(日本時間)に撮影。
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いずれの写真も、出典は http://www.stp.isas.jaxa.jp/nozomi/MIC/1219_j.html  。
Copyright: ISAS/JAXA。


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