月のクレーターの多くは、隕石衝突によってできたものと考えられています。隕石は月面におよそ秒速10キロメートル以上という高速で衝突します。発生する高温・高圧の衝撃波によって月面が掘削され、クレーターとなります。
また、地上にある火山の火口、カルデラと同じように、火山爆発によってできたものもあるとされています。
衝突するもののサイズによって、できるクレーターの大きさも様々です。
アポロによって採集された岩石の表面には、直径数マイクロメートル[注]という、顕微鏡でなくては見えないほど小さいものもあります。また、月面で最大の衝突盆地である南極ーエイトケン盆地 (South Pole-Aitken) の直径は2250キロメートルです。
小さいものまで含めれば個数は「数限りなく」ということになりますが、月面で名前が付けられてカタログ化されているクレーターだけ数えますと、1595個ということになります(2011年3月現在)
(名前がついているクレーターを数えたものですが、実際には近くにあるクレーターに、Crater A, Crater B, …という名前をつけることがありますので、実際に名前がついているクレーターはもっと多いことになります。)
クレーターは現在も増え続けています。月震のデータによれば、隕石の衝突は約7年間の間に1743個あったとのことです。これは、表側の一部の地域で記録されたデータであり、このほかにも分類が不可能とされているデータも多数あります。
ですから実際には、これよりはるかに多くの隕石の衝突が起きているはずです。そして、そのたびに月のどこかで新しくクレーターができていることでしょう。
[注]1マイクロメートル=100万分の1メートル=1000分の1ミリメートル
■関連Q&A
- ティコクレーターなどに見られる「光条」はどのような現象ででき、また何が光って見えているのでしょうか?
- 月のクレーターはどのようにしてできたのですか?