月の表側全域の地図は、1645年、オランダのラングレヌスによってはじめて作られましたが、そこで彼は大きな暗い地域を「海」、明るい地域を「陸」と名付けています。「陸」は現在では「高地」と呼ばれる方が一般的です。

月が誕生した初期には表面の数百キロメートルは溶融して巨大なマグマの海が出来ていました。マグマの海が冷えるにつれて、いろいろな鉱物が結晶していきますが、軽くて白っぽい斜長石の結晶は表面に浮かび、重くて黒っぽい輝石やかんらん石の結晶はマグマの海の底に沈みました。月の高地はこのようにしてできた斜長石の地殻だと考えられています。

斜長石はカルシウムとアルミニウムに富む鉱物で、海を作っている玄武岩と違って、鉄やチタンには乏しくなっています。
また、高地の岩石は海と異なり、月が形成された後にも続いた隕石の激しい衝突によって原形がわからないほど破砕され混合されています。


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