科学のテーマに最大も最小もない、っていったら、この質問が終わってしまいますね。ですから、科学者の印象として、どのような問題が重要だと思うかを考えてみましょう。

月を研究している科学者たちは、みんな自分たちのテーマが重要だと思っています。たとえば、月の石を研究している人は、どのようにしてその石ができてきたのかが知りたいでしょう。
ですが、彼らが共通して知りたいとと思っていることがあります。それは「月がどのようにしてできたのか」です。

もちろん、月ができなければ、研究の対象がないわけですから、「月がどのようにしてできたのか」は本当に重要な問題です。しかし、それ以外にも重要な点はあります。
まず、月の誕生が、地球の誕生と密接に関わっていることが、最近になってわかってきました。最近月のでき方として有力とされている「巨大衝突説」は、月と地球が密接な関係にあることを改めて示しているといえます。

地球がどのようにしてできたのかを知るためには、月がどのようにしてできたかも調べなければなりません。月の誕生は、そのくらい重要な問題なのです。
アポロから「かぐや」、そしてその先の月探査へと続く、人類の月探査の歴史も、その究極の疑問を解き明かすための試みである、といえるでしょう。