スーパームーン (supermoon) とは、地球に特に近づいたときの満月、あるいは新月のことをいいます。地球からよくみえることから、通常は満月のときにスーパームーンと呼ばれることが多いようです。

月は地球の周りを回っていますが、この軌道は円ではありません。楕円形をしているため、地球から遠ざかるときと地球に近づくときとでは距離に差が出ます。
月と地球の間の平均距離は約38万5000キロメートルですが、楕円形の軌道のもっとも端の地点では、地球からの距離は約40万5000キロメートルとなります。逆に、軌道で地球からもっとも近い地点では、地球からの距離は約36万3000キロメートルとなります。
さらに、月と地球の軌道の関係で、これよりもう少し近づく場合もあります。例えば2011年3月19日には、35万6577万キロまで近づきました。

この、地球にもっとも近いところに月がやってきたときに、たまたま地球と太陽との位置が満月、あるいは新月に相当する配置になった場合に、スーパームーンと呼ばれます。満月であれば太陽と月の間に地球が入り、新月であれば太陽と地球の間に月が入ります。
通常の満月に比べて地球に近い場所に月があるため、月は当然のことながらやや大きくみえます。2011年3月19日の満月では、通常の満月に比べて15パーセントほど大きくみえ、明るさも(地球に近いことから)20パーセントほど明るくみえました。

このスーパームーンという言葉は、元々は占星術師のリチャード・ノールが1979年に言い出した言葉であり、学術的なものではありません。また、学術的な定義もありません。
なお、よく満月のときに天変地異が起こり、さらにはスーパームーンのときにはその確率が上がるという噂が立つことがありますが、通常の満月がスーパームーンになるときにも、地球に及ぼされる潮汐力の差はほんのわずかであり、こういった噂には科学的な根拠はありません。


■ 参考資料