2022年11月8日 皆既月食

2022年11月8日、日本全国で、月がすべて隠される(後述)現象「皆既月食」(かいきげっしょく)を見ることができます。
皆既月食は、多ければ年1〜2回程度見ることができる、珍しい現象です。
ぜひこの機会にご覧になってみてはいかがでしょうか。

皆既月食とは | いつ、どこでみえる? | よくある質問 | 鑑賞にあたってのご注意 | 当日の天気 | 参考リンク

皆既月食

皆既月食 (Photo: カワグチツトム / PIXTA)


皆既月食とは?

月食とは、月が地球の影(太陽からの光の影)に隠される現象です。
太陽からの光が地球に届く際、地球によって太陽の反対方向に影ができますが、その影の中に月が入ると、地球では月食として観測できます。
影(本影)の中に月がすべて入ると「皆既月食」、一部が入ると「部分月食」となります。
1月31日の月食は、月がすべて影の中に入る「皆既月食」です。
なお、日食とは異なり、地球の影が大きいので、日本全国から(月が見られる場所であれば)見ることができます。
また、月は地球からみて太陽の反対側にあるため、月食は満月のときに起こります。従って、8日の月は満月ということになります。
月食のときには、地球の大気を通った太陽の光がわずかながら月に到達します。そのため、月は赤い色(赤銅色とよく表現されます)に見えます。完全に月が見えなくなる、というわけではありません。

<参考リンク>


いつ、どこでみえる?

月が欠け始める時間は午後6時9分、月が皆既月食となる(完全に隠される。ただ上述のように、月は赤銅色の天体となって見えています)時間は午後7時16分、皆既月食の終了は午後8時42分です。
なお、この時間は日本のどこであっても変わりません。
月は左下側から次第に欠け始め(赤くなり始め)、午後7時16分になると完全に全体が赤銅色になります。この状態が約1時間16分続きます。
午後8時42分になると、月は左側から再び明るさを取り戻し、午後9時49分に完全に元の月に戻ります。

月の変化 時間
食の始まり 午後6時9分
皆既月食の始まり 午後7時16分
皆既月食の終わり 午後8時42分
食の終わり 午後9時49分

この日、皆既月食が見える月の方向は東~南東の空です。
東側の空に現れた月は、次第に高さを増しながら皆既月食の赤銅色となり、南東の空へと移っていきます。皆既月食を観測される場合には、東~南東側に比較的明かりがない場所を選ぶとよいでしょう。高度は30度程度と比較的見やすい時間帯の皆既月食なので、観測にも非常に都合がいいタイミングとなります。
また、今回の皆既月食では、月が天王星を隠す「天王星食」という現象が起こります。皆既月食と天王星食が同時に起こるのは過去5000年でも例がないという極めて珍しい現象です。天王星自体は6等星と、肉眼で見るにはかなりギリギリの明るさなので、天王星食も同時に観測されたい方は、望遠鏡・双眼鏡などを利用されるとよいでしょう。

2022年11月8日の皆既月食の予想

国立天文台による、2022年11月8日の皆既月食予想。日没後間もなくの東の空で月食が始まり、赤銅色の光景を見せると予想される。(© NAOJ)


よくあるご質問

  • 皆既月食を見るのに望遠鏡は必要ですか?
    いつも月を見ているのと同じように、望遠鏡を見なければ皆既月食が見えないということはありません。ただ、望遠鏡があれば、月の細かい模様など、より詳しい様子を楽しめるとは思います。なお、本格的な天体望遠鏡でなくても、双眼鏡やオペラグラスなどの方が扱いやすく、皆既月食を見るためには適切かと思われます。なお上でも述べましたが、天王星食も観測したい方は、望遠鏡があるとよいでしょう。
  • 皆既月食はどこにいけばよく見えますか?
    月が見えるところであれば月食はどこでもみることができますので、特に「見やすい場所」というところはありません。ただ、より見やすい場所としては、今回皆既月食の月が見える東〜南東の空が暗いところをおすすめします。この方角に大きな都市や明るい工場などがない場所を探すとよいでしょう。もちろん、天気がいい場所を調べておくのがいちばんではあります。

観察にあたってのご注意

  • 夜ですので、明かりがあまりない場所で観察される方も多いかと思います。観測場所への行き帰りの際には、足元や車、障害物などに気をつけてください。
  • 夜間、車で移動される場合には、必ず止まって観察を行ってください。運転手が走りながら見ることは絶対におやめください

当日の天気

11月8日の天気は、全国的に比較的好転に恵まれると予想されています。
11月8日の天気は、北陸以北の北日本の日本海側では雨の予報、また北海道では曇りの予報が出ています。ただしそれ以外の地域では晴れとなるようです。日本全国の広い地域で鮮やかな赤銅色の月を見られるかも知れません。
曇りまたは雨の予報が出ている地域でも、雲間からの皆既月食を見ることができるかも知れませんので、諦めず、チャレンジしてみて下さい。

詳細な予報については、天気予報をご参照下さい。いくつかリンクを挙げます。


参考リンク