冥王星へと向かっている探査機ニューホライズンズは、このほど、冥王星にもっとも近づいた探査機となりました。
既に、ニューホライズンズの飛行時間は2413日に達しています。探査機は高速で飛行しており、1日に100万キロもの距離を飛行するという俊足ぶりです。
この探査機がこのほど達成した記録は、ボイジャー1号が1986年1月に記録した、冥王星への再接近記録を更新したというものです。実際、ボイジャーシリーズの探査では冥王星は目的地とはなっていませんが、ボイジャー1号は、1979年の木星、そして翌年の土星へのフライバイのあと、冥王星まで9億8300万キロの距離を通過しています。
この再接近記録を更新したニューホライズンズは、さらに接近を続けており(目的地なのですからもちろんですが)、2015年7月14日の再接近…冥王星上空12500キロメートル…を目指して飛行中です。
ニューホライズンズの探査責任者であるグレン・ファウンテン氏は、「打ち上げ(2006年1月)のときには、私たちの10年にわたる飛行は永遠のように思われたが、時間はあっという間に過ぎ去っていった。もう6年間も飛行を続けており、あと3年で再接近を迎える」と語っています。
今のところ、ニューホライズンズと冥王星との距離は、地球と土星との間の距離くらいです。この位置から見ても、冥王星は単なる点にしかみえませんが、2015年の中頃になれば、ニューホライズンズからは、冥王星とその衛星カロンは、はっきりとした天体として捉えられるようになるはずです。
「私たちはまだ15億キロの飛行を残してはいるが、ともかくも冥王星にもっとも近づいたということで、新しい領域に足を踏み入れたことは確かだ。しかも1日1日、100万キロずつ近づいている。」
(ニューホライズンズの主任研究者、アラン・スターン氏)
現在、ニューホライズンズは「ハイバネート」(冬眠)状態にあり、基本システム以外の部分の電源はオフになっています。太陽からは時速約55000キロメートルという高速で遠ざかっています。
・プロジェクトチームの記事 (英語)
  http://pluto.jhuapl.edu/news_center/news/20111202.php
・ニューホライズンズ (月探査情報ステーション)
  https://moonstation.jp/ja/pex_world/NewHorizons/