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メッセンジャー探査機のフライバイ時に得られたデータから、水星のカラー写真が作成されました。
探査機に搭載された水星撮像システム(MDIS)の広角カメラには、合計11のカラーフィルターが搭載されています。これらのフィルターのデータを組み合わせて、カラー画像を作ることに成功しました。ただし、メッセンジャーのカメラは、人間の目にみえない波長もとらえることができます。また、カラー画像は狭い波長フィルターで撮られたデータを重ね合わせたものですので、人間の見た目とは厳密には少し違います。
上の写真は、3つの波長(1000ナノメートル、700ナノメートル、430ナノメートル)でそれぞれ撮影された3枚の画像を合成して作られたカラー写真です。それぞれの波長は、赤外線、可視光の赤領域、紫外線になります。これを、色合成で赤、緑、青に割り当てたものです(いわゆるRGB合成です)。人間の目で見える波長領域は400〜700ナノメートル付近です。このようなカラー画像を作成することによって、水星の地形をよりはっきりと認識することができるようになります。
この写真はフライバイ80分前に撮影されたもので、水星からの距離は約27000キロメートルです。この写真ではほぼ10キロメートルの地形を識別できます。
なお、30年以上前に水星を探査したマリナー10号は、可視光領域に2つのフィルターと、紫外線領域に1つのフィルターを搭載していました。
・写真のページ
http://messenger.jhuapl.edu/gallery/sciencePhotos/image.php?gallery_id=2&image_id=132