NASAの水星探査機メッセンジャー(MESSENGER)は、アメリカ東部時間6月5日午後7時8分(日本時間6月6日午前8時8分)、金星から約340キロ上空を通過し、フライバイ(スイングバイ)に成功しました。
メッセンジャーが金星の上空を通解した際の速度は時速約48000キロメートルにも達しました。
最接近の約20分間は探査機は金星の影にあり、太陽電池の動力が得られない状態でした。最接近から約2時間半後、内蔵バッテリーの再充電が完了し、探査機は再び通常通りの運用に入りました。
今回の金星フライバイでは、探査チームは各機器の試験的な稼働を予定しています。水星に到着したときのことを想定してのものです。可視光線および近赤外線での写真撮影に寄り、金星上部の雲の様子を捉えることも考えられています。その他にも、紫外線、エックス線スペクトロメータによるデータ取得も予定されています。
メッセンジャーは、この後いよいよ水星に向けて進路をとります。水星にはまず2008年1月と2008年10月、さらに2009年9月にフライバイします。このときには写真撮影などによって水星の表層の様子や元素組成などを調べる予定です。そして、2011年には水星を周回する軌道に入り、本格的な探査を行います。
・メッセンジャー (英語)
http://messenger.jhuapl.edu
・メッセンジャー (月探査情報ステーション)
http://moon.jaxa.jp/ja/topics/MESSENGER/