水星探査を行っている探査機メッセンジャーから、珍しい写真が届きました。太陽系の全惑星を撮影した写真です。
以前にも太陽系の全惑星を撮った写真はありました。1990年、ボイジャー2号が、海王星の彼方から太陽の方向を振り返って撮影した写真で、「太陽系の家族の肖像」として、多くの人の感動を呼びました。しかし、今回の写真は、「太陽系の内側」から眺めている、というところがポイントです。
この写真は、メッセンジャーに搭載されているカメラで撮影された、34枚の広角カメラ枠の中に、狭角写真を入れて構成されています。大部分の写真の撮影は2010年11月3日に行われました。一部海王星部分はそのあと、11月16日に撮影されています。
海王星や天王星は30〜40億キロの距離があるため、搭載カメラの最大の露出時間でもある10秒でもほとんど写っていません。従って、推定位置を表示してあります。地球の月や木星のガリレオ衛星などははっきりと写っています。中央下部にぼんやりと写っているもやもやした明るいものは、天の川です。
このように写真が弧を描いているのは、メッセンジャーの軌道のためです。画像そのものは惑星などが見やすくなるように拡大を施してあります。天体が球ではないように見えるものもありますが、これは拡大によって光が拡散してしまっているためです。
なお、広角カメラで撮影したバージョンもありますが、画像が大きいため、月探査情報ステーション「メッセンジャー」コーナーの「ギャラリー」に掲載いたします。
・メッセンジャーチームの記事 (英語)
http://messenger.jhuapl.edu/gallery/sciencePhotos/image.php?image_id=399
・メッセンジャー (月探査情報ステーション)
https://moonstation.jp/ja/pex_world/MESSENGER/