null
水星探査機メッセンジャーが送信してきた水星の写真が公開されました。今回撮影された写真は、水星のほぼ半球を写したものです。
これまで行われた水星探査は、1974~75年に行われた、マリナー10号の探査だけです。このときには3回のフライバイが行われましたが、結果的に得られた水星表面の写真は、水星全体の約半分にとどまるものでした。
今回メッセンジャーにより撮影された写真は、このマリナー10号ではとらえられなかった半球の部分をとらえています。すなわち、「人類がはじめて目にする水星の写真」ということになります。
マリナー10号による写真と同様、撮影された半球の表面は多くのクレーターに覆われている様子がわかります。右上にある大きな盆地は、カロリス盆地と呼ばれる場所です(赤道地域にあるため、「熱」という意味の「カロリス」という言葉がつけられました)。今回の撮像では、これまでとらえられなかった、カロリス盆地の西側をみることができます。この写真では盆地全体がとらえられており、外縁部よりも内部の方が明るいことがわかります。盆地の周りには暗い平らな平原があります。盆地内には外縁部が暗いクレーターが多数存在しています。また、はじめてその存在がわかった多重リング型クレーターが多数写真からわかります。
撮影は、1月15日(日本時間)のフライバイにおける水星再接近から約80分後に行われました。距離は水星から27000キロメートル、解像度は1ピクセルあたり約10キロメートルです。撮影は、搭載されている水星撮像システム(カメラ)の広角カメラによって行われました。
・メッセンジャー (ジョンズホプキンス大学)
  http://messenger.jhuapl.edu/
・メッセンジャー 水星フライバイ特集ページ
  http://messenger.jhuapl.edu/mer_flyby1.html
・写真についての詳細