9月10日(アメリカ太平洋時間)に、カッシーニ探査機が土星の衛星イアペタスのそばを通過しました(フライバイ)。この際に得られたデータから、イアペタスは2つの極端に異なった表面を持っていることがわかりました。片方は雪のように白く、片方はタールのように真っ黒なのです。
得られた画像には、赤道に沿って走る山脈や、クレーターだらけの表面などが写っていました。この山脈は高さが20キロメートルもあり、このため、イアペタスの形はまるでクルミのようになっています。
今回のフライバイでは、前回(2004年)のフライバイの時よりも100倍も近づきました。イアペタスの上空約1640キロメートルを飛行して、多数の写真を撮影しました。イアペタスのクルミ状の不規則な形、赤道に沿って走る山脈、そして明るさの極端な違いはそのときから不思議な謎とされてきました。
カッシーニによりイアペタスを何度も観測することにより、表面の化学組成や、希薄な大気、あるいはガスの噴出の発見、さらには夜間の表面温度の測定などができると期待されています。今回得られたデータは、今後数週間かけて解析される予定です。
・JPLのプレスリリース
http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2007-101
・カッシーニ/ホイヘンス (月探査情報ステーション)
http://moon.jaxa.jp/ja/topics/cassini/