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土星の2つの衛星、テチスとディオネは、宇宙空間に粒子を放出していることが、最近のカッシーニ探査機の探査で分かりました。このことは、両衛星が何らかの形で地質学的な活動を起こしていることを示唆しており、大変興味深い結果です。火山活動の可能性もあります。
この結果は、今週発行の科学雑誌「ネイチャー」に掲載されます。
粒子は、おそらくは電気を帯びたガスではないかと考えられています。両衛星は土星の磁気圏の中を公転しているため、その影響によって、ガスは磁気圏の中に捉えられています。土星の自転は10時間46分と非常に早い周期で、それに磁場が引っ張られて、ガスを外側へ放出しようとします。
ガスが宇宙空間に伸びている様子はカッシーニ探査機が到着したときから観測されていましたが、サウスウェスト研究所のジム・バーチ博士らのグループにより、その延びている方向のもとが、テチスとディオネであることが突き止められました。
これまで、土星の衛星ではタイタンとエンセラダスが活動的であることが知られていましたが、今回の結果で、さらに活動的な衛星が2つ増えることになります。これまで、地質学的には「死んだ」天体だと思われてきた氷衛星の知識を覆す結果で、注目されます。
なお、上の写真は、特徴的な表面を持つディオネの全体写真です。
・JPLのプレスリリース (英語)
http://saturn.jpl.nasa.gov/news/press-release-details.cfm?newsID=754
・カッシーニ/ホイヘンス (月探査情報ステーション)
http://moon.jaxa.jp/ja/topics/cassini/